訪問看護ステーションの管理者になれるのは?資格・要件を徹底解説

「訪問看護ステーションの管理者には誰がなれるの?」「資格は必要?理学療法士でも管理者になれる?」——これから開業を考える人や、管理者を任されそうな人にとって、最初につまずきやすいポイントです。
結論から言うと、訪問看護ステーションの管理者は原則として保健師または看護師でなければなりません。この記事では、管理者の要件、准看護師やPT・OT・STがなれるのかという例外規定、管理者不在時の対応、そして令和6年度改定で緩和された兼務のルールまで、訪問看護に関わってきた現役理学療法士の視点で整理します。
- 訪問看護ステーションの管理者になれる人の条件
- 准看護師・理学療法士等が管理者になれるのか(例外規定)
- 管理者が不在になったときの対応
- 令和6年度改定で緩和された管理者の兼務ルール
- 「管理者」と「所長」の違い
訪問看護ステーションの管理者になれるのは?【結論】
訪問看護ステーションを開設するには、必ず「管理者」を置く必要があります。そして管理者になれるのは、原則として保健師または看護師です。
ちびウルフ訪問看護ステーションの管理者って、誰でもなれるわけじゃないの?
リハウルフそうなんだ。管理者になれる人は法令でルールが決まっているんだよ。原則は保健師か看護師。例外もあるから順番に見ていこう。
なお、健康保険法に基づく指定訪問看護事業のみを行う訪問看護ステーションの場合は、助産師も管理者になることができます。
訪問看護ステーションの管理者になれる条件
管理者になるための条件を整理すると、次のとおりです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 常勤・専従 | 常勤であり、原則として専らその訪問看護ステーションの管理に従事すること |
| 資格 | 原則として保健師または看護師(健保法に基づく事業のみなら助産師も可) |
| 知識・技能 | 適切な訪問看護を行うために必要な知識・技能を有していること |
| 経験 | 原則として、医療機関で看護や訪問指導の業務に従事した経験があること |
したがって、准看護師や理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は、原則として管理者にはなれません。ただし「原則として」とある通り、例外的に認められる場合もあります(次章で解説)。
准看護師・理学療法士(PT・OT・ST)でも管理者になれる?
原則は保健師・看護師(助産師)ですが、現場では「どうしても該当者がいない」というケースもあります。その場合、例外的に保健師・看護師以外の者が管理者になれることがあります。
長期の病気休暇・出張等で代行する場合
管理者の長期の病気休暇や出張等のやむを得ない事由があり、都道府県知事等(地方厚生(支)局長)の承認を受けた場合は、保健師・助産師・看護師以外の者が管理者を代行できます。ここに理学療法士等も当てはまります。
地域の事情で看護師を確保できない場合
地域の事情等により、主に理学療法士等によって訪問看護が行われ、管理者としてふさわしい保健師・看護師を確保できない等のやむを得ない理由がある場合には、過去の経歴等を勘案して、都道府県知事に管理者としてふさわしいと認められた理学療法士等を管理者に充てることも可能とされています。
訪問看護ステーションの管理者が不在になったときは?
やむを得ない事情で管理者が一時的に不在になった場合は、他の職種の者が一時的に代行することができます。ただし、その場合も、できるだけ速やかに常勤の保健師・看護師の管理者を確保するよう努める必要があります。
また、看護職員の人員基準である常勤換算2.5人を下回った場合も同様です。管理者が不在になったり、人員基準を満たせなくなったりしたときは、隠さずにまず担当の自治体へ相談・報告するのが健全です。
ちびウルフ人員基準を満たせなくなったら、すぐに営業停止になっちゃうの?
リハウルフ黙っているより、素直に報告して指示を仰ぐほうが安全だよ。何より利用者さんが第一。すぐに営業停止になることは通常ないから、まずは自治体に相談しよう。
訪問看護ステーションの管理者は兼務できる?【令和6年度改定で緩和】
管理者は、管理上支障がない場合は、同一敷地内の他の事業所の職務を兼ねることができます。たとえば、居宅介護支援事業所の管理者・従事者などです。
さらに、訪問看護ステーションと定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所、または複合型サービス事業所が同一事業所で一体的に運営されている場合は、両方の管理者を兼務することも可能です。
令和6年度改定で他事業所との兼務要件が緩和
従来、他の事業所の管理者を兼ねるには「同一敷地内」であることが条件でした。令和6年度(2024年度)の改定でこの「同一敷地内」という条件が見直され、管理上支障が生じない範囲であれば、離れた場所にある事業所の管理者を兼ねることも認められるようになりました。ICTツール等を活用して適切に管理業務を行えることが前提です。
訪問看護ステーションの管理者に求められる役割
管理者は単なる「資格を満たす人」ではなく、事業所の運営を担う中心的な存在です。主な役割を整理すると、次のようになります。
| 役割 | 主な内容 |
|---|---|
| 従業者の管理 | 看護職員・リハ職の勤務体制づくり、指導・教育、労務管理 |
| 業務の管理 | 訪問看護計画・記録の整備、サービスの質の確保、安全管理 |
| 運営基準の遵守 | 人員・設備・運営基準を満たす体制の維持、法令遵守 |
| 多職種・関係機関との連携 | 主治医・ケアマネジャー・他事業所との調整 |
つまり管理者には、看護の専門知識だけでなく、マネジメント力や調整力も求められます。原則として保健師・看護師に限られているのは、こうした責任ある立場だからこそ、訪問看護の実務に精通していることが重視されているためです。
訪問看護ステーションの「管理者」と「所長」の違い
訪問看護ステーションには、人員基準として管理者を置くことが法令で定められています。一方、「所長」という呼び方を使う事業所もありますが、これは法令上の役職ではなく、会社独自のルールです。
事業所のトップという意味で「所長」と呼ぶ会社もあれば、原則として管理者になれない理学療法士等の中で優秀な人材に、管理者とは別に「所長」という役職を独自に設けるケースもあります。いずれも社内の呼称であり、法令上の管理者の要件とは別物だと理解しておきましょう。
管理者に関する厚生労働省Q&A
訪問看護事業所の管理者と、定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所等の管理者を兼ねられますか?
保健師・看護師以外の者を管理者に充てられるのは具体的にどんな場合ですか?
緊急時訪問看護加算で、医療機関の管理者である医師が対応した場合に算定できますか?
訪問看護ステーションの管理者に関するよくある質問(FAQ)
訪問看護ステーションの管理者に資格は必要ですか?
管理者は常勤でないとダメですか?
理学療法士が訪問看護ステーションの管理者になるのは現実的ですか?
- 訪問看護ステーションの管理者は原則として保健師または看護師(健保法に基づく事業のみなら助産師も可)
- 准看護師・PT・OT・STは原則なれないが、やむを得ない事由+都道府県知事等の承認で例外的に認められる場合がある
- 事務員はいかなる場合も管理者になれない
- 管理者不在・人員基準(常勤換算2.5人)割れのときは、隠さずまず自治体に相談
- 令和6年度改定で、他事業所との兼務における「同一敷地内」要件が緩和された
- 「所長」は法令上の役職ではなく会社独自の呼称
出典:厚生労働省「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準」(平成12年厚生省令第80号)、各介護報酬改定に関するQ&A、令和6年度介護報酬改定関係資料。制度・基準は改定される場合があるため、最新の取り扱いは厚生労働省・各自治体の資料でご確認ください。




