看護師のブランク復帰に役立つ参考書9選|勉強の順番も解説

ブランクのある看護師が復職前に読む参考書は、「看護技術の本」「薬と検査値の本」「急変対応とアセスメントの本」の3冊をまずそろえるのがおすすめです。迷ったら、看護技術は『看護がみえる vol.1 基礎看護技術』、薬は『薬の使い分けがわかる!ナースのメモ帳』、急変対応は『急変対応クイックチェック』から始めてください。
この記事では、ブランク明けの看護師に役立つ参考書を「看護技術」「薬と検査値」「急変対応とアセスメント」「疾患の復習」の4つに分けて9冊紹介します。書名・版・発行年は、出版社の紹介ページと国立国会図書館サーチの書誌で確認しました。復職までの勉強の順番もあわせてまとめています。
- ブランク明けに最初にそろえたい3冊
- 看護技術を思い出すための参考書3冊
- 薬と検査値を復習するポケットサイズの本
- 急変対応とフィジカルアセスメントの最新版の本
- 復職までの勉強の順番と、ナースセンターの使い方
ちびウルフブランクが5年以上あるんだけど、何から勉強すればいいの?
リハウルフ全部を一度に思い出そうとしなくて大丈夫。まずは「採血や点滴などの技術」「よく使う薬」「急変時の動き」の3つに絞ると、復職した最初の1か月がぐっと楽になるよ。疾患の勉強は、配属先が決まってからで十分間に合うんだ。
看護師のブランク復帰で参考書を選ぶポイント
ブランクのある看護師がつまずきやすいのは、知識そのものよりも、手順の細かいところ、新しく出た薬や器具、急変時の動きです。参考書は「全部を学び直す本」ではなく「現場で手が止まりそうなところを埋める本」として選ぶと、無理なく続きます。
①写真や動画で手順を確認できる本を選ぶ
看護技術は、文字だけで読むよりも、写真やイラスト、動画で手の動きを見たほうが思い出しやすくなります。この記事で紹介する『看護がみえる vol.1』や『写真でわかる 看護のためのフィジカルアセスメント アドバンス』は、動画も見られる本です。
②新しい版を選ぶ
看護技術の手順や薬、検査の基準は、少しずつ見直されています。同じ書名でも版が新しいものを選び、購入前に「第◯版」「発行年」を確かめましょう。この記事では、2026年10月時点で確認できた最新の版を紹介しています。
③働く場所に合わせて足していく
病棟、外来、クリニック、訪問看護、介護施設など、復職先によって必要な知識は変わります。最初の3冊をそろえたら、配属先がよくみる疾患の本を1冊ずつ足していくのが効率的です。
| 不安なこと | まず読む本 | 次に読む本 |
|---|---|---|
| 採血・点滴などの技術 | 看護がみえる vol.1 | ビジュアル臨床看護技術ガイド |
| 薬の名前と使い分け | ナースのメモ帳 | ― |
| 検査値の読み方 | 検査値の読み方ポケット事典 | ― |
| 急変時の動き | 急変対応クイックチェック | フィジカルアセスメント アドバンス |
| 疾患と看護過程 | 疾患別看護過程 | 病気がみえる vol.1 |
| 復職全体の流れ | 潜在看護師復職支援テキスト | ― |
看護技術を思い出すための参考書3選
1. 完全版 ビジュアル臨床看護技術ガイド 第3版
坂本すが氏・井手尾千代美氏が監修し、NTT東日本関東病院の看護部が執筆した照林社の本です(2015年発行・AB判720ページ)。臨床でよく行う51の看護技術を、写真を中心に手順ごとに解説しています。ページ数が多く、持ち歩くよりも自宅や職場に置いて調べる「辞書」として使うのに向いています。発行から10年ほどたっているので、器具や手順は勤務先のマニュアルとあわせて確認しましょう。
2. 潜在看護師復職支援テキスト
石塚睦子氏が編集した、へるす出版の本です(2007年12月発行)。書名のとおり、しばらく現場を離れていた看護師の復職に向けてつくられたテキストで、看護技術、対象別の看護、治療別の看護をまとめています。学び直す範囲の全体像をつかむのに役立ちます。ただし発行から長くたっているので、技術の細かい手順や薬の情報は、1や3の新しい本で確認してください。
3. 看護がみえる vol.1 基礎看護技術 第2版
メディックメディアの『看護がみえる』シリーズの基礎看護技術の巻です(第2版・2024年12月発行)。イラストで手順を追えるうえに、50本以上の動画が順次公開される形で用意されています。第2版では、実施前のアセスメントや技術の目的の説明が増え、休息・睡眠や安全管理の項目も加わりました。「なぜこの手順なのか」から思い出したい人に向いています。
ちびウルフ看護技術の本は1冊でいいの?
リハウルフ最初は『看護がみえる』の1冊で十分だよ。イラストと動画で流れを思い出して、現場で細かいところを確かめたくなったら『ビジュアル臨床看護技術ガイド』を辞書として足すといいね。
薬と検査値を復習する参考書2選
4. 薬の使い分けがわかる!ナースのメモ帳
看護師の「はっしー」氏と薬剤師の木元貴祥氏による、メディカ出版の本です(2023年9月発行)。見開きで2つの薬を並べて比べる形で、128の薬の違いと使い分けを解説しています。ブランクの間に新しく使われるようになった薬もあるため、「似た薬の違いがわからない」という不安を埋めるのに向いています。
5. 検査値の読み方ポケット事典 第5版
栗原毅氏が監修した成美堂出版の本です(第5版・2023年発行)。A6判のポケットサイズで、検査値の意味と読み方を10章に分けてまとめています。白衣のポケットに入れて、その場で確認できるのが利点です。基準値は施設や検査方法によって違うことがあるため、勤務先の基準値もあわせて確かめましょう。
急変対応とフィジカルアセスメントの参考書2選
6. 認定・専門看護師が教える 急変対応クイックチェック
救急看護の認定看護師や専門看護師らでつくる「スマナス」による、中央法規出版の本です(2025年9月発行)。新人から3年目くらいまでの看護師を主な読者として、急変時の観察と対応を5つのパートに分けて整理しています。ブランク明けにいちばん不安になりやすい急変対応を、新しい本で確認できます。
7. 写真でわかる 看護のためのフィジカルアセスメント アドバンス 新訂第2版
守田美奈子氏が監修した、インターメディカの本です(新訂第2版・2025年9月発行)。写真でフィジカルアセスメントの手技を確認でき、約70分の動画も見られます。内容は6つの章に分かれています。急変の前ぶれに気づくには、日ごろの観察が大切です。6の本で急変時の動きを押さえたら、この本で観察の基本を見直しましょう。
ちびウルフ急変対応の本って、新人向けでも役に立つの?
リハウルフ役に立つよ。ブランク明けは「何を見て、誰に何を報告するか」の順番があいまいになりがち。新人向けの本は、その順番がいちばんわかりやすく整理されているんだ。
疾患と看護過程を復習する参考書2選
8. 病期・発達段階の視点でみる 疾患別看護過程
任和子氏が編著した、照林社のプチナースBOOKSの1冊です(2020年12月発行)。成人・老年・小児・母性など11の領域の代表的な疾患について、看護過程の展開をまとめています。看護学生向けのシリーズですが、疾患ごとの観察点とケアの流れを短時間で見直せるので、配属先がよくみる疾患を復習するのに使えます。
9. 病気がみえる vol.1 消化器 第7版
メディックメディアの『病気がみえる』シリーズの消化器の巻です(第7版・2025年3月発行)。イラストで病態から治療までを追えるのが特徴で、第7版では周術期管理の章が加わり、脂肪性肝疾患(SLD)の新しい分類にも対応しています。消化器の病棟や、消化器疾患の利用者が多い職場に戻る人に向いています。シリーズにはほかの領域の巻もあるので、配属先に合わせて選びましょう。
ブランク明けの看護師が復職までに勉強する順番
参考書をそろえても、どこから読むかが決まらないと手が止まります。復職の1〜2か月前から、次の順番で進めるのがおすすめです。
- 復職先の働き方(病棟・外来・訪問など)と、よくみる疾患を確認する
- 看護技術の本で、採血・点滴・吸引など毎日使う技術の手順を見直す
- 薬の本で、復職先でよく使う薬と、似た薬の違いを確認する
- 急変対応の本で、急変時の観察と報告の流れを頭に入れる
- 検査値の本と疾患の本は、復職してから必要な場面で引く
疾患の勉強は範囲が広いので、復職前に全部を読もうとしないことが大切です。実際に担当する患者さんや利用者さんの疾患から、1つずつ調べていくほうが身につきます。
都道府県ナースセンターの復職支援も使う
本での勉強に加えて、各都道府県のナースセンターも活用しましょう。看護師等の人材確保の促進に関する法律では、都道府県ナースセンターの業務として、看護師等への研修や情報の提供、相談などが定められています(第15条)。また、病院などを離職した看護師等は、住所や氏名などを都道府県ナースセンターに届け出るよう努めることとされています(第16条の3)。研修の内容や日程は都道府県ごとに異なるため、お住まいの地域のナースセンターで確認してください。
訪問看護や介護施設に復職する場合は、病院とは求められる知識が少し変わります。施設や訪問の現場で役立つ本は、下の関連記事でも紹介しています。
よくある質問
ブランクが10年以上あります。最初の1冊はどれですか?
『看護がみえる vol.1 基礎看護技術』がおすすめです。イラストと動画で、技術の目的と手順をまとめて見直せます。
復職前に全部の参考書を読むべきですか?
読む必要はありません。看護技術・薬・急変対応の3つを先に見直し、疾患や検査値の本は復職してから必要な場面で引けば十分です。
古い版の参考書でも使えますか?
考え方を学ぶには使えますが、手順や薬、基準値は見直されていることがあります。手元に置くなら新しい版を選び、勤務先のマニュアルとあわせて確認しましょう。
薬を効率よく復習する方法はありますか?
『薬の使い分けがわかる!ナースのメモ帳』のように、似た薬を並べて比べる本が便利です。復職先でよく使う薬から順に確認しましょう。
急変対応が不安です。
『急変対応クイックチェック』で急変時の観察と対応の流れを押さえ、『フィジカルアセスメント アドバンス』で日ごろの観察の基本を見直すのがおすすめです。
本以外に復職の支援はありますか?
都道府県ナースセンターで、研修や情報の提供、相談を受けられます。内容は地域ごとに異なるため、お住まいの地域のナースセンターに確認してください。
- ブランク明けは「看護技術」「薬」「急変対応」の3冊から始める
- 看護技術は動画も見られる『看護がみえる vol.1』が入りやすい
- 薬は似た薬を比べる『ナースのメモ帳』、検査値はポケット事典が便利
- 急変対応は2025年発行の『急変対応クイックチェック』で確認する
- 疾患の本は配属先が決まってから1冊ずつ足す
- 都道府県ナースセンターの研修や相談もあわせて使う
- 国立国会図書館サーチ(各書籍の書誌情報:書名・版・出版社・発行年)
- e-Gov法令検索「看護師等の人材確保の促進に関する法律」
- メディックメディア(看護がみえる・病気がみえる)
- 照林社(ビジュアル臨床看護技術ガイド・疾患別看護過程)
- メディカ出版(薬の使い分けがわかる!ナースのメモ帳)
- 中央法規出版(急変対応クイックチェック)
- インターメディカ(看護のためのフィジカルアセスメント アドバンス)
※書籍の書名・版・出版社・発行年は、2026年10月28日時点の国立国会図書館サーチの書誌と各出版社の紹介ページで確認したものです。在庫や価格、新しい版の刊行状況は変わる可能性があるため、購入時に販売ページでご確認ください。ナースセンターに関する記述は、看護師等の人材確保の促進に関する法律(2026年10月時点)にもとづいて整理したものです。研修などの具体的な内容は都道府県ごとに異なります。本の選び方や勉強の順番に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理です。本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。







