「難病医療費助成制度とは何?」
「介護保険でも難病医療費助成制度は利用可能?」
こんな疑問はありませんか?
・難病医療費助成制度の基本
・難病医療費助成制度の対象疾患一覧
・難病医療費助成制度の申請&更新方法
・難病医療費助成制度のQ&A
・難病医療費助成制度は介護保険でも利用できるのか?
難病医療費助成制度について勉強していきましょう!
難病医療費助成制度とは?
難病医療費助成制度とは、難病のうち指定難病に該当する疾患にかかる医療費が助成されるという制度です。
難病医療費助成制度は「54(ゴーヨン)」と略される場合もあります。
「難病」ではなく、「指定難病」である必要があります。
難病とは?(難病法第1条)
- 発病の機構が明らかではなく
- 治療方法が確立していない
- 希少な疾病であって
- 長期の療養を必要とするもの
指定難病とは?(難病法第5条)
難病のうち、下記全てを満たすもの
- 患者数が本邦において一定の人数(人口の0.1%程度)に達しないこと
- 客観的な診断基準(又はそれに準ずるもの)が確立していること
難病医療費助成制度の具体例
難病医療費助成制度の制度の詳しい説明の前に、活用の具体例を紹介します。
下記のような人がいたとしましょう!
●疾患名
- 脊髄小脳変性症
●利用しているサービス
- 医療機関の定期受診(1,000円/月)
- 訪問看護(6,500円/月)
- 薬(2,000円/月)
- 訪問リハビリテーション(6,500円/月)
●自己負担上限額
- 5,000円(月額)
利用しているサービスの自己負担の合計額は、月に16,000円です。
しかし、自己負担上限額が5,000円ですので、この方の場合は難病医療費助成制度を利用すると、月に5,000円だけの自己負担で済み、それ以上の11,000円が助成されることになります。
これが「難病医療費助成制度」です。
どんな医療費が助成対象なの?
詳しく教えて!
ここから下記のことについて詳しく説明していくね!
- 難病医療費助成制度の対象疾患一覧
- 医療費の助成対象となる内容
- 自己負担上限額とは?
- 申請手続き方法
- 更新手続き方法
- 注意点
難病医療費助成制度の対象疾患一覧
令和3年12月時点で338疾患が該当です。(これは年々増加しています。)
難病医療費助成制度の対象一覧は「難病情報センター」のホームページを参考にすることをオススメします。
難病医療費助成制度の医療費の助成対象となる内容
全ての医療費が難病医療費助成制度の対象になるとは限りません。
難病医療費助成制度の対象となる医療費・対象とならない医療にについて説明していきます。
難病医療費助成制度の対象範囲
- 指定難病およびその指定難病に付随して発生する傷病に関する医療
難病医療費助成制度の支給対象(医療保険)
医療保険制度で難病医療費助成制度の対象となるサービスは下記の通りです。
- 診察
- 薬剤の支給
- 医学的処置、手術およびその他の治療
- 居宅における療養上の管理およびその治療に伴う世話その他の看護
- 病院または診療所への入院およびその療養に伴う世話その他の看護
難病医療費助成制度の支給対象(介護保険)
介護保険制度で難病医療費助成制度の対象となるサービスは下記の通りです。
- 訪問看護
- 介護予防訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 介護予防訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
- 介護予防居宅療養管理指導
- 介護療養施設サービス
- 介護医療院サービス
通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション、訪問介護(ヘルパー)、福祉用具などは助成対象外です。
難病医療費助成制度の自己負担上限額(月額)
難病医療費助成制度の自己負担上限額は、人によって異なります。
階層区分は世帯年収や本人の年収などによって決まります。
詳細は下記の表を参照してください。
人工呼吸器等装着者は、生活保護を除き、一律で1,000円(月額)となっています。
また、はじめは「一般」の自己負担上限額からはじまりますが、一定の条件を達すると「高額かつ長期」という区分に移行し、自己負担上限額(月額)が安くなる場合があります。
高額かつ長期とは?
医療費の受給者のうち所得の階層区分について一般所得I以上の者が、支給認定を受けた指定難病に係る月ごとの医療費総額について5万円を超える月が年間6回以上ある場合は、月額の医療費の自己負担を軽減します。
助成対象となるサービス内容の月の合計が自己負担上限額に達しない場合でも、後々、高額かつ長期に該当する場合がありますので、忘れずに記入しておきましょう!
難病医療費助成制度の申請方法
難病医療費助成制度を申請するか否かは個人の自由です。
申請しないで、多くの額を支払い続けるということも可能です。
ここでは、難病医療費助成制度の申請方法について説明します。
- 対象となっている指定難病と診断される(基本的にはここの医療機関で申請方法を教えてくれます。)。
- 診断書(臨床調査個人票)と必要書類を合わせて、都道府県・指定都市の窓口に医療費助成の申請する(必要書類は、都道府県・指定都市によって異なる場合がありますので、詳しくは管轄する保健所等へお問い合わせください。)。
この難病医療費助成制度は、申請した日からの医療費が対象となります。
なるべく早く申請するようにしましょう!
また、申請してからお手元に届くまでには2〜3ヶ月程度かかる場合もあります。
難病医療費助成制度の更新方法
難病医療費助成制度の有効期間は、原則として申請日から1年以内です。
これは、都道府県・指定都市が定める期間となっています。
ですから、基本的には1年ごとに更新の申請が必要です。
更新の前にお手元に更新書類が届きますので、その書類を記入して都道府県・指定都市の窓口に更新申請をしましょう。
更新すると、新しい受給者証が届き、受給者証が変わります。自己負担上限額が変わっている場合がありますので、その際は、普段かかっている医療機関や介護サービス事業所にお伝えしましょう!
難病医療費助成制度の償還払
難病医療費助成制度は申請日から有効です。
しかし、申請をしてもすぐに受給者証が届きません。(届くまで2〜3ヶ月程度かかることもあります。)
その間の医療費は先に支払っておく必要があります。
しかし、その後に償還払いという制度を使えば、後から返金されます。
償還払いのために必要な書類は、おそらく最初に受給者証が届いたときに渡されます。
もし渡されない場合は、担当の都道府県・指定都市の窓口にお問い合わせしましょう!
難病医療費助成制度に関するQ&A(よくある質問)
難病医療費助成制度に関するよくある質問(Q&A)を紹介します。
この制度は各自治体ごと異なりますか?
はい。異なります。地域によって方法が違うことがありますので、注意しましょう!
申請日以前の治療費は戻ってきますか?
申請した日から助成の対象となります。
どこの病院でも助成されますか?
その医療機関や訪問看護ステーションが指定医療機関の申請を受けている必要があります。各都道府県等のホームページで確認できます。
介護老人保健施設(老健)の訪問リハビリテーションでも難病医療費助成制度は利用できますか?
病院や診療所の訪問リハビリテーションでは難病医療費助成制度を活用できますが、介護老人保健施設からの訪問リハビリテーションは対象外です。
難病医療費助成制度(54)について動画でわかりやすく解説
難病医療費助成制度に関するYouTube動画説明です。
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ぜひ、チャンネル登録もよろしくお願いいたします。