夜間対応型の地域加算3つを比較|15%10%5%の違い

夜間対応型訪問介護には、地域の条件に応じた加算が3種類あります。15%・10%・5%の3つで、それぞれ何を条件にしているかが違います。2つは事業所の所在地、1つは利用者の居住地が判定の基準です。混同すると誤った算定につながります。
この記事では、この3つの加算を、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準の原文を確認して整理しました。
- 3つの加算の率と、それぞれの判定基準
- 事業所の所在地で判定するものが2つあること
- 利用者の居住地で判定するものが1つあること
- 「通常の事業の実施地域を越えて」という条件
- イとロで算定単位が変わること
- 届出が必要なものと不要なもの
- 対象地域の確認方法
- 併算定の考え方
夜間対応型訪問介護の地域に関する加算とは?
中山間地域や離島など、移動に時間と費用がかかる地域では、同じサービスを提供するコストが高くなります。その負担を報酬に反映させる仕組みが、地域に関する加算です。
3つの加算の比較
| 加算 | 率 | 判定の基準 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 特別地域夜間対応型訪問介護加算 | 100分の15 | 事業所の所在地が、厚生労働大臣が定める地域にあること | 注6 |
| 中山間地域等における小規模事業所加算 | 100分の10 | 事業所の所在地が、厚生労働大臣が定める地域にあること | 注7 |
| 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算 | 100分の5 | 利用者の居住地+通常の事業の実施地域を越えること | 注8 |
一方5%は利用者がどこに住んでいるかで決まり、さらに通常の事業の実施地域を越えて訪問した場合に限られます。事業所の場所ではなく、訪問先が基準です。
特別地域夜間対応型訪問介護加算(15%)
- 別に厚生労働大臣が定める地域に所在し、かつ、市町村長に対し届出を行った指定夜間対応型訪問介護事業所(その一部として使用される事務所が当該地域に所在しない場合は、当該事務所を除く。)又はその一部として使用される事務所の従業者が指定夜間対応型訪問介護を行った場合は、特別地域夜間対応型訪問介護加算として、イについては定期巡回サービス又は随時訪問サービスを行った際に1回につき、ロについては1月につき、所定単位数の100分の15に相当する単位数を加算する。
- 厚生労働大臣が定める地域(離島、豪雪地帯など)に所在すること
- 市町村長への届出を行っていること
- 事務所が当該地域にない場合、その事務所は対象外になる
中山間地域等における小規模事業所加算(10%)
注7も、事業所の所在地で判定します。要件の構造は15%の加算と同じで、厚生労働大臣が定める地域に所在し、届出を行っていることが条件です。率が100分の10になります。
名称のとおり、小規模な事業所であることも要件に含まれるため、規模に関する基準の確認が必要です。詳細は厚生労働大臣が定める基準でご確認ください。
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算(5%)
- 指定夜間対応型訪問介護事業所の従業者が、別に厚生労働大臣が定める地域に居住している利用者に対して、通常の事業の実施地域を越えて指定夜間対応型訪問介護を行った場合は、イについては1回につき、ロについては1月につき、所定単位数の100分の5に相当する単位数を加算する。
・通常の事業の実施地域を越えて訪問していること
どちらか一方では算定できません。対象地域に住んでいても、通常の事業の実施地域の中であれば算定できません。
「通常の事業の実施地域」は運営規程に定めるものです。自事業所の運営規程を確認し、どこからが「越えて」に当たるのかを整理しておいてください。
この加算には、注6・注7と違って届出を求める文言がありません。ただし運営規程との関係で説明を求められるため、記録は必要です。
イとロで算定単位が変わる
| 類型 | 算定単位 |
|---|---|
| イ(夜間対応型訪問介護費(Ⅰ)) | 定期巡回サービスまたは随時訪問サービスを行った際に1回につき |
| ロ(夜間対応型訪問介護費(Ⅱ)) | 1月につき |
3つの加算すべてに共通する構造です。イは訪問回数に比例し、ロは月額の所定単位数に対して一度だけかかります。
ちびウルフ3つとも同時に算定できるの?
リハウルフ併算定の可否は留意事項通知で整理されています。一般に、これらの地域加算は重複して算定しない取扱いになっていますが、判断は保険者に確認してください。
実務でつまずくのは、対象地域かどうかの確認です。厚生労働大臣が定める地域は告示で指定されており、市町村単位・区域単位で細かく決まっています。「山あいだから対象だろう」という感覚で判断しないでください。
対象地域の確認方法
- 厚生労働大臣が定める地域を示す告示を確認する
- 事業所の所在地が対象地域に含まれるかを、市町村名・区域名で照合する
- 5%の加算は、利用者の居住地についても同様に照合する
- 運営規程の「通常の事業の実施地域」を確認する
- 判断に迷う場合は、保険者に照会して回答を記録に残す
地域に関する加算の注意点
- 15%と10%は届出が必要:市町村長への届出を行ったうえで算定します
- 5%は利用者ごとの判定:居住地と、実施地域を越えたかどうかで判断します
- 事務所の所在地にも注意:一部として使用される事務所が対象地域にない場合、その事務所は除かれます
- 他の加算・減算との計算順序:同一建物減算などと重なる場合、計算順序を確認してください
- 対象地域は告示で確認する:感覚で判断しないでください
- 記録を残す:訪問先の住所と、実施地域を越えたことがわかる記録が必要です
地域に関する加算のQ&A
よくある質問
3つの加算の違いは何ですか?
15%と10%は事業所の所在地で判定し、5%は利用者の居住地と、通常の事業の実施地域を越えたかどうかで判定します。
対象地域に住んでいれば5%を算定できますか?
できません。あわせて、通常の事業の実施地域を越えて訪問していることが必要です。
「通常の事業の実施地域」とは何ですか?
運営規程に定める、事業所が通常時にサービスを提供する地域です。自事業所の運営規程を確認してください。
イとロで算定単位は違いますか?
違います。イは定期巡回・随時訪問を行った際に1回につき、ロは1月につきの算定です。
届出は必要ですか?
15%と10%の加算は届出が必要です。5%の加算には、注に届出を求める文言がありません。
3つ同時に算定できますか?
併算定の可否は留意事項通知で整理されています。一般に重複しない取扱いですが、保険者にご確認ください。
対象地域はどこで確認しますか?
厚生労働大臣が定める地域を示す告示で確認します。市町村名・区域名で照合してください。
支店の事務所が対象地域にない場合は?
注6は「その一部として使用される事務所が当該地域に所在しない場合は、当該事務所を除く」と定めています。
他の減算と重なった場合の計算は?
率を掛ける順序と端数処理は留意事項通知で定められています。保険者と請求ソフトの設定を確認してください。
- 夜間対応型訪問介護の地域に関する加算は3種類
- 特別地域夜間対応型訪問介護加算は100分の15
- 中山間地域等における小規模事業所加算は100分の10
- 中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算は100分の5
- 15%と10%は、事業所の所在地で判定する
- 5%は、利用者の居住地で判定する
- 5%はさらに「通常の事業の実施地域を越えて」訪問することが必要
- 対象地域に住んでいても、実施地域内であれば算定できない
- 「通常の事業の実施地域」は運営規程に定めるもの
- イは1回につき、ロは1月につきの算定
- 15%と10%は市町村長への届出が必要
- 5%の注には届出を求める文言がない
- 一部として使用される事務所が対象地域にない場合、その事務所は除かれる
- 対象地域は告示で確認し、感覚で判断しない
- 他の加算・減算と重なる場合の計算順序は留意事項通知による
- 指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成18年厚生労働省告示第126号)(夜間対応型訪問介護費 注6〜注8)
- 厚生労働大臣が定める地域(平成24年厚生労働省告示第120号)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第34号)e-Gov法令検索
※本記事の率および要件に関する記述は、指定地域密着型サービスに要する費用の額の算定に関する基準にもとづいて整理したものです。中山間地域等における小規模事業所加算の規模に関する要件、および対象となる地域の具体的な範囲については、本記事では詳細を記載していません。厚生労働大臣が定める基準および厚生労働大臣が定める地域を示す告示の原文をご確認ください。3つの加算の併算定の可否、複数の加算・減算が重なる場合の計算順序および端数処理については、留意事項通知および保険者の解釈をご確認ください。地域密着型サービスは市町村が指定・指導監督を行うため、取扱いが市町村によって異なる場合があります。個別の算定の可否は、必ず保険者にご確認ください。2026年9月時点の内容として整理しています。





