訪問看護で准看護師が訪問した場合は、所定単位数の100分の90を算定します。定期巡回・随時対応型と連携する場合(ハ)だけは100分の98です。

この減算でいちばんつまずくのは、「実際に誰が訪問したか」だけでは決まらないことです。居宅サービス計画上、准看護師が訪問する予定になっていれば、事業所の都合で看護師が訪問しても90%で算定します。逆もまた同じです。この記事では、指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成12年厚生省告示第19号)訪問看護費の注1・注2と、老企第36号 第2の4(8)の原文を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • 准看護師が訪問した場合は所定単位数の90%であること
  • 定期巡回連携型(ハ)だけは98%であること
  • ケアプラン上の職種と実際の職種が違う場合の取扱い
  • 低いほうの単位数を算定するという原則
  • 2時間ルールで合算するとき准看護師分が含まれる場合の扱い
  • 加算部分は減算されないこと
  • 要支援(介護予防訪問看護)も同じ90%であること
  • ハの要介護5に対する800単位加算との関係
ちびウルフちびウルフ

准看護師が急に休んで看護師が代わりに行ったら、100%で請求できますよね?

リハウルフリハウルフ

できません。老企36号は、ケアプラン上准看護師の予定だったのに事業所の事情で保健師・看護師が訪問した場合も、100分の90で算定すると書いています。要するに、計画と実際のどちらか低いほうの単位数になる。事業所の都合による差し替えで報酬が上がることはない、という考え方です。

訪問看護の准看護師による訪問の減算とは?

准看護師による訪問の減算は、准看護師が訪問看護を行った場合に、所定単位数を一定割合減じる仕組みです。告示19号 訪問看護費の注1・注2に規定されています。

准看護師は、保健師助産師看護師法上、医師・歯科医師・看護師の指示を受けて看護を行う資格です。単独で療養上の判断を行う立場ではないため、訪問看護の報酬でも看護師と同じ評価にはなっていません。

正確にいえば「加算」でも「減算」でもなく、算定する単位数そのものが100分の90になるという書き方です。ただしサービスコード上は准看護師の区分が別に用意されており、実務では減算として扱われます。

令和6年度介護報酬改定では、この取扱いに変更はありませんでした。

准看護師による訪問の単位数

1 (略)ただし、(略)准看護師が指定訪問看護を行った場合は、所定単位数の100分の90に相当する単位数を算定する。
2 ハについて、(略)ただし、准看護師が指定訪問看護を行った場合は、所定単位数の100分の98に相当する単位数を算定する。

区分准看護師の場合算定頻度
イ(訪問看護ステーション)所定単位数×90/1001回につき
ロ(病院・診療所)所定単位数×90/1001回につき
ハ(定期巡回連携型・月額包括)所定単位数×98/1001月につき
介護予防訪問看護所定単位数×90/1001回につき

実際の単位数

時間区分ステーション(看護師)ステーション(准看護師)
20分未満314単位283単位−31単位
30分未満471単位424単位−47単位
30分以上1時間未満823単位741単位−82単位
1時間以上1時間30分未満1,128単位1,015単位−113単位
時間区分病院・診療所(看護師)病院・診療所(准看護師)
20分未満266単位239単位
30分未満399単位359単位
30分以上1時間未満574単位517単位
1時間以上1時間30分未満844単位760単位

※小数点以下の端数処理は請求システムの取扱いによります。

週2回・30分以上1時間未満の訪問をすべて准看護師が担当すると、月8回で656単位の差になります。人員配置を考えるうえで無視できない金額です。

ハだけ98%である理由

ハは1月2,961単位の月額包括報酬です。定期巡回・随時対応型と連携する訪問看護は、月の中で複数の職種が入れ替わり訪問します。1回ごとに職種で単位を変える設計になじまないため、月単位で2%の調整にとどめているのだと読めます。

准看護師による訪問の算定要件(判定のしかた)

ケアプラン上の職種と実際が違う場合(老企第36号 第2の4(8))

① 居宅サービス計画上、准看護師が訪問することとされている場合に、事業所の事情により准看護師ではなく保健師又は看護師が訪問する場合については、所定単位数に100分の90を乗じて得た単位数を算定すること。また、居宅サービス計画上、保健師又は看護師が訪問することとされている場合に、事業所の事情により保健師又は看護師ではなく准看護師が訪問する場合については、准看護師が訪問する場合の単位数(所定単位数の100分の90)を算定すること。

ケアプラン上の予定実際に訪問した職種算定する単位数
准看護師准看護師90%
准看護師保健師・看護師90%
保健師・看護師准看護師90%
保健師・看護師保健師・看護師100%

計画と実際のどちらか一方でも准看護師なら、90%です。低いほうを取る、と覚えるのが早いと思います。

「事業所の事情により」がポイント

通知は「事業所の事情により」と限定しています。利用者の状態変化などで職種を変更し、居宅サービス計画そのものを見直した場合は、変更後の計画に基づいて算定できると読めます。計画を直さないまま人だけ差し替えると90%になる、という構造です。

リハビリ職との差し替えの場合

② 居宅サービス計画上、准看護師が訪問することとされている場合に、事業所の事情により准看護師ではなく理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が訪問する場合については理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の場合の所定単位数を算定すること。また、居宅サービス計画上、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が訪問することとされている場合に、事業所の事情により(略)准看護師が訪問する場合については、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士の場合の所定単位数を算定すること。

ケアプラン上の予定実際に訪問した職種算定する単位数
准看護師PT・OT・STPT等の単位数(294単位)
PT・OT・ST准看護師PT等の単位数(294単位)

リハビリ職と准看護師が入れ替わった場合は、どちらの向きでもPT等の単位数(1回20分・294単位)になります。准看護師の90%を計算するのではありません。

准看護師による訪問の注意点

2時間ルールで合算するときの扱い

老企第36号 第2の4(4)(二)は、時間を合算する場合の職種の判定を定めています。

(二) 一人の看護職員が訪問看護を行った後に、続いて別の看護職員が訪問看護を行った場合には、当該訪問看護の所要時間を合算することとする。なお、当該訪問看護の提供時間を合算した場合に、准看護師による訪問看護が含まれる場合には、当該訪問看護費は、准看護師による訪問看護費を算定する。

看護師20分+准看護師20分=40分を合算する場合、40分ぶんを准看護師の単位数(30分以上1時間未満×90%)で算定します。ここでも低いほうを取る扱いです。

加算は減算されない

90%になるのは時間区分の所定単位数です。緊急時訪問看護加算、特別管理加算、長時間訪問看護加算、複数名訪問加算などは、准看護師が訪問しても減りません。

老企第36号 第2の4(13)②は、長時間訪問看護加算について「准看護師が行う場合であっても、同じ単位を算定する」と明記しています。

ハの要介護5に対する800単位加算

ハには「保健師、看護師又は准看護師が利用者(要介護5である者に限る)に対して指定訪問看護を行った場合は、1月につき800単位を加算する」という規定があります。この800単位は准看護師でも同額です。職種による差はつきません。

退院時共同指導加算は准看護師では算定できない

退院時共同指導加算の注は「指定訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)が」と明記しています。これは単位数が減るのではなく、准看護師が行った場合はそもそも算定できません。

実務で確認したいこと
  • 居宅サービス計画上の職種と実際の訪問職種が一致しているか
  • 職種を変更するなら、居宅サービス計画・訪問看護計画書を先に見直したか
  • 准看護師のサービスコードを使って請求しているか
  • 2時間未満の間隔で合算する場合、准看護師が含まれていないか
  • 退院時共同指導は准看護師以外が行っているか
  • 加算部分に誤って90%を掛けていないか

担当したケースでも、「今日は看護師が行ったから100%」で請求していて、返戻になった事業所がありました。ケアプランを見ずに実績だけで判断すると起きます。逆に、准看護師が継続的に担当するなら、最初からケアプランに准看護師と位置づけておくのが筋です。

よくある質問

准看護師が訪問すると何%になりますか?

所定単位数の100分の90です。定期巡回連携型(ハ)を算定している場合のみ100分の98です。

ケアプラン上は准看護師でしたが看護師が行きました。100%で請求できますか?

できません。事業所の事情による差し替えの場合は100分の90で算定します。

逆に看護師の予定で准看護師が行った場合は?

同じく100分の90です。計画と実際のどちらかに准看護師が入れば90%になります。

利用者の状態変化で職種を変えた場合も90%ですか?

通知は「事業所の事情により」と限定しています。居宅サービス計画を見直したうえで変更した場合の取扱いは、指定権者にご確認ください。

准看護師とリハビリ職が入れ替わった場合は?

どちらの向きでも、理学療法士等の場合の所定単位数(1回20分294単位)を算定します。

時間を合算する場合はどうなりますか?

合算した訪問看護に准看護師によるものが含まれる場合は、准看護師による訪問看護費を算定します。

緊急時訪問看護加算も90%になりますか?

なりません。減じられるのは時間区分の所定単位数です。

長時間訪問看護加算は?

准看護師が行っても同じ300単位です。老企第36号に明記されています。

退院時共同指導加算は准看護師でも算定できますか?

できません。注に「准看護師を除く」と明記されています。

ハの要介護5に対する800単位は准看護師でも同額ですか?

同額です。ハの注2は「保健師、看護師又は准看護師が」と規定しています。

要支援の方でも90%ですか?

同じく100分の90です。介護予防訪問看護費の注1に規定されています。

ハだけ98%なのはなぜですか?

ハは1月2,961単位の月額包括報酬であり、1回ごとに職種で単位を変える設計になじまないためと読めます。

まとめ
  • 准看護師が訪問した場合は所定単位数の100分の90
  • 定期巡回連携型(ハ)だけは100分の98
  • 介護予防訪問看護も100分の90で同じ
  • ケアプラン上准看護師なら、看護師が訪問しても90%
  • ケアプラン上看護師でも、准看護師が訪問すれば90%
  • 計画と実際の低いほうを取る、と覚えるとよい
  • 通知は「事業所の事情により」と限定している
  • 准看護師とリハビリ職の差し替えは、どちらもPT等の単位数(294単位)
  • 2時間ルールで合算する場合、准看護師が含まれれば准看護師の単位数
  • 減じられるのは時間区分の所定単位数だけで、加算は減らない
  • 長時間訪問看護加算は准看護師でも300単位
  • ハの要介護5に対する800単位も准看護師で同額
  • 退院時共同指導加算は准看護師では算定できない(減算ではなく算定不可)
  • 准看護師が継続的に担当するならケアプランに位置づけておく
参考にした情報

※本記事の単位数・算定要件は、厚生労働省の告示および通知にもとづいて整理したものです。実際の算定にあたっては原文および指定権者(都道府県・指定都市・中核市)の解釈をご確認ください。とくに利用者の状態変化に伴って居宅サービス計画を変更した場合の取扱い、90%を乗じた際の端数処理については、指定権者および請求システムの取扱いによります。制度に関する記述は2026年8月時点の内容として整理していますが、その後の改定により取扱いが変わる可能性があります。実務に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、制度上の定めではありません。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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