「デイサービスに行ってほしいのに、父がどうしても首を縦に振らない」——介護をするご家族や、利用調整に悩むケアマネジャー・相談員の方から、こうした声は本当によく聞かれます。とくに男性の高齢者はデイサービスを嫌がりやすい傾向があり、無理に勧めると関係がこじれてしまうこともあります。

この記事では、訪問リハビリの現場で多くの男性利用者と関わってきた視点から、デイサービスに行きたがらない男性を、本人が納得して通えるようにする具体的な方法を6つ紹介します。「行かせる」のではなく「行きたくなる」ためのヒントとして、ご家族にも専門職の方にも役立つ内容にまとめました。

この記事でわかること
  • 男性がデイサービスを嫌がる主な理由
  • 男性が通いたくなるデイサービスの選び方6つ
  • 無理なく通所につなげる声かけ・導入の工夫
  • 家族・ケアマネ・相談員が押さえておきたい関わり方
ちびウルフちびウルフ

うちのおじいちゃん、デイサービスを勧めても「行かない」の一点張りなの…どうしたらいいの?

リハウルフリハウルフ

男性が嫌がるのには理由があるんだ。理由を踏まえて「本人に合う場所」を選べば、ぐっと通いやすくなるよ。順番に解説していくね。

なぜ男性はデイサービスに行きたがらないのか

対策を考える前に、男性が通所を拒む背景を知っておくことが大切です。理由がわかれば、合う場所や声かけが見えてきます。男性に多いのは、次のような気持ちです。

よくある理由背景にある気持ち
「介護される側」になりたくない仕事や家庭で「支える側」だったプライドが強い
女性が多い場になじめないレクや手芸など「女性向け」に見える活動への抵抗
何をするのかわからず不安初めての場所・人間関係への警戒心
「年寄り扱い」が嫌自分はまだ元気だという自負
ポイント男性の拒否は「わがまま」ではなく、プライドと不安の裏返しであることがほとんどです。否定せず、本人の価値観に合う場所を一緒に探す姿勢が突破口になります。

デイサービスに行きたがらない男性を通わせる6つの方法

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具体的にはどうすればいいの?

リハウルフリハウルフ

「本人が前向きになれる切り口」を用意するのがコツ。代表的な6つを紹介するね。

  1. ジムのようなリハビリ特化型デイサービスを勧める
  2. 半日・短時間のデイサービスから始める
  3. 今風のデイサービス(ゲーム・カラオケなど)を選ぶ
  4. 男性が多いデイサービス・男性が多い曜日を選ぶ
  5. 入浴・温泉が充実したデイサービスを勧める
  6. 比較的若い利用者が多いデイサービスを選ぶ

① ジムのようなリハビリ特化型デイサービスを勧める

男性は健康維持や身体機能の向上に関心が高い人が多く、「介護」より「トレーニング」という切り口に前向きになりやすい傾向があります。マシンを備え、理学療法士などの専門職が運動をサポートするリハビリ特化型(機能訓練特化型)デイサービスなら、「鍛えに行く」という感覚で通えます。

数値で成果が見えると達成感につながり、「もっと良くしたい」という意欲が通所を続ける原動力になります。半日型が多く、入浴や食事が苦手な男性にも勧めやすいのも利点です。

② 半日・短時間のデイサービスから始める

「一日中知らない人と過ごす」ことへの抵抗は、男性にとって想像以上に大きいものです。そこで、まずは半日・短時間のデイサービスから始めるとハードルが下がります。「お試し」「見学だけ」という入り方も有効です。

注意初回から「毎週◯曜日に必ず」と固めると、本人が逃げ場のなさを感じて拒否が強まることがあります。最初は回数・時間を絞り、慣れてから増やすのが鉄則です。

③ 今風のデイサービス(ゲーム・カラオケなど)を選ぶ

デイサービスはリハビリの場であると同時に、社交や娯楽の場でもあります。最近は、麻雀・将棋・ゲーム・カラオケなどエンターテインメント性の高い活動に力を入れた事業所も増えています。趣味と結びつけば「介護施設に行く」のではなく「好きなことをしに行く」という前向きな動機が生まれます。

④ 男性が多いデイサービス・男性が多い曜日を選ぶ

利用者に女性が多い事業所では、男性が孤立感を覚えやすくなります。男性利用者が多い事業所や曜日を選ぶと、共通の話題で打ち解けやすくなります。見学時に「男性はどのくらい来ていますか」「男性に人気の活動は何ですか」と確認しておくと、ミスマッチを防げます。

⑤ 入浴・温泉が充実したデイサービスを勧める

自宅での入浴に不安が出てきた方には、大きな浴室や温泉風の入浴設備が魅力になります。「お風呂に入りに行く」という分かりやすい目的があると通いやすく、入浴は清潔保持や血行促進にもつながります。介護をするご家族にとっても、入浴介助の負担が軽くなるメリットがあります。

⑥ 比較的若い利用者が多いデイサービスを選ぶ

「自分はまだ年寄りではない」という思いが強い男性には、比較的若い世代や要支援・軽度の方が多い事業所が合うことがあります。活気のある雰囲気のなかで、新しい刺激や交流を得られると、通うこと自体が楽しみになります。

専門職・家族が押さえたい「通所につなげる」関わり方

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場所選びのほかに、声のかけ方で気をつけることはある?

リハウルフリハウルフ

あるよ。「言葉」と「役割」がカギなんだ。現場でうまくいきやすいコツを整理するね。

ケアマネジャー・生活相談員・リハ職・介護職、そしてご家族が連携するときに効果的なポイントを整理します。

関わりの工夫具体例
言葉を言い換える「デイサービス」→「トレーニング」「サロン」「クラブ」
役割を持たせる得意分野(将棋・園芸・機械いじり等)を活かせる場を提案
第三者から勧める家族より、主治医・ケアマネ・リハ職の言葉が響くことも
体験を先に「契約」より「見学・体験」を先行させ不安を解く
ポイント本人が「自分で選んだ」と感じられることが、継続の最大の鍵です。複数の事業所を提示し、本人に選んでもらうプロセスを大切にしましょう。

通所につなげるまでの進め方(5ステップ)

「どう動けばいいかわからない」というご家族のために、相談から通所開始までの流れを整理しました。専門職と二人三脚で進めると安心です。

  1. 担当のケアマネジャー(未契約なら地域包括支援センター)に相談する
  2. 本人の希望・性格・興味を伝え、合いそうな事業所を複数あげてもらう
  3. 本人と一緒に見学・体験に行く(契約より先に「お試し」)
  4. 半日・短時間など負担の少ない条件でスタートする
  5. 通い始めてからの様子を共有し、曜日や内容を調整する

大切なのは、一度で完璧に決めようとしないことです。合わなければ変えられる、と本人にも伝えておくと、最初の一歩を踏み出しやすくなります。費用面が不安なときも、ケアマネジャーが利用回数や自己負担の目安を試算してくれます。

逆効果になる「やってはいけない」NG対応

良かれと思った対応が、かえって拒否を強めてしまうこともあります。男性の通所支援でとくに避けたい関わり方を整理します。

ちびウルフちびウルフ

つい「行きなさい」って強く言っちゃうんだけど、それってダメなの?

リハウルフリハウルフ

説得を急ぐほど、本人は身構えてしまうんだ。NGになりやすい対応を知っておこう。

NG対応なぜ逆効果か
「行かないと困る」と説得を繰り返す追い詰められる感覚が反発を生む
本人不在で家族とケアマネだけで決める「自分のことを勝手に決められた」と不信に
「みんな行ってるから」と比較するプライドを刺激し、かえって意地になる
初日から長時間・フル参加を求める負担が大きく「もう行かない」につながる

大切なのは、本人のペースと意思を尊重しながら、選択肢を一緒に探す姿勢です。一度断られても、時期や提案を変えれば受け入れられることは珍しくありません。焦らず、長い目で関わっていきましょう。

注意体調不良や気分の落ち込みが背景にあることもあります。急な拒否の強まりや食欲・睡眠の変化が見られるときは、主治医やケアマネジャーに相談し、医療的な要因がないかも確認しましょう。

よくある質問(FAQ)

どうしても見学にも行きたがりません。どうすれば?
無理強いは逆効果です。まずは訪問リハビリや訪問介護など「家に来てもらう」サービスから始め、外部とのつながりに慣れてもらう方法もあります。信頼できる専門職を介して、少しずつ外出のきっかけを作りましょう。
男性向けのデイサービスはどう探せばいいですか?
担当のケアマネジャーに「男性が多い事業所」「リハビリ特化型」など希望を具体的に伝えるのが近道です。地域包括支援センターや市区町村の窓口でも情報が得られます。複数見学して比較するのがおすすめです。
通い始めても続かない場合は?
合わない理由(人間関係・活動内容・時間帯など)を本人や事業所から聞き取り、曜日変更や別事業所への切り替えを検討します。「合わなければ変えてよい」と伝えておくと、本人の安心につながります。
費用が心配で勧めにくいです。
介護保険の自己負担は原則1〜3割で、要介護度や利用時間で変わります。月の利用には区分支給限度額があり、超えた分は全額自己負担です。具体的な金額はケアマネジャーに試算してもらうと安心です。
送迎や外出そのものを嫌がる場合は?
送迎車に乗ること自体に抵抗がある方もいます。その場合は、自宅近くの事業所を選ぶ、最初は家族が付き添う、馴染みのスタッフが迎えに来てくれる事業所を選ぶ、といった工夫が有効です。少しずつ「外に出る経験」を積み重ねることが大切です。
まとめ
  • 男性がデイサービスを嫌がる背景には「プライド」と「不安」がある
  • リハビリ特化型・短時間・趣味性・男性が多い場・入浴充実・若い層など、本人に合う切り口で選ぶ
  • 「行かせる」より「行きたくなる」設計を。言葉の言い換え・役割・体験が効果的
  • 本人が「自分で選んだ」と思える関わりが、継続の最大の鍵
ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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