「訪問看護で多い疾患ってどんなものがあるの?」
このような疑問が解決できる記事です。
訪問看護でこれから働こうと思っている人や他の訪問看護の様子が気になる人は知りたい情報だと思います。
今回は厚生労働省の情報と実際に訪問看護の経験を踏まえてお伝えしたいと思います。
この記事でわかることは以下の通りです。
・訪問看護で多い疾患
・訪問看護ではどのような疾患の勉強をしておく必要があるか?
この記事の筆者は以下の書籍の監著・編集を担当している者です。
訪問看護に関わる人にもお勧めですので是非、手にとっていただけると嬉しいです。
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では、訪問看護で多い疾患について学んでいきましょう!
訪問看護で多い疾患
出典)社保審-介護給付費分科会 第182回(R2.8.19)
訪問看護は介護保険と医療保険で提供されます。
原則、介護保険で提供されますが、特定の疾患の利用者と介護保険の認定を受けていない場合は医療保険の訪問看護になります。
そのため、自ずと医療保険と介護保険では多い疾患名にも特色が出てしまいます。
訪問看護の医療保険と介護保険の優先順位については以下の記事で詳しく解説しました。
訪問看護の医療保険と介護保険の優先順位は重要なので困ったら参考にしてください。
医療保険の訪問看護で多い疾患
医療保険の訪問看護の場合は以下の疾患が多くなります。
- 神経系の疾患
- 精神及び行動の障害
- がん末期
別表7と言われる下記の疾患ですと、制度上、医療保険の訪問看護になるため、神経系の疾患やがん末期が多くなります。
その中でも神経系の疾患ではパーキンソン病が多いです。
【別表7】
- 末期の悪性腫瘍
- 多発性硬化症
- 重症筋無力症
- スモン
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊髄小脳変性症
- ハンチントン病
- 進行性筋ジストロフィー症
- パーキンソン病関連疾患
- 多系統萎縮症
- プリオン病
- 亜急性硬化性全脳炎
- ライソゾーム病
- 副腎白質ジストロフィー
- 脊髄性筋萎縮症
- 球脊髄性筋萎縮症
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎
- 後天性免疫不全症候群
- 頸髄損傷
- 人工呼吸器を使用している状態
また、精神疾患の利用者さんも制度上、医療保険の訪問看護での提供となるため、医療保険の訪問看護の中では比重が高くなります。
精神疾患では、統合失調症が多いです。
また、介護保険の認定を受けていない(受けられない)利用者は医療保険の訪問看護になります。
そのため以下のような人も医療保険の訪問看護では多くなります。
- 小児のさまざまな疾患
- 脊髄損傷
介護保険の訪問看護で多い疾患
介護保険の訪問看護で多い疾患は多い順に以下の通りです。
- 循環器系の疾患(脳血管疾患、心疾患など)
- 筋骨格系及び結合組織の疾患
- 神経系の疾患
- 認知症
- 内分泌系の疾患
- 呼吸器疾患
この中で圧倒的に多い疾患は、脳血管疾患です。
脳血管疾患には、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血、一過性脳虚血発作などが挙げられます。
筋骨格系疾患では、大腿骨頸部骨折や腰痛圧迫骨折が多いです。
神経系疾患は、医療保険にならない初期のパーキンソン病などが多いです。
認知症はアルツハイマー病。
内分泌疾患では糖尿病、呼吸器疾患ではCOPDなどが多いです。
介護保険で訪問看護を受けられる利用者さんは40歳以上(多くは65歳以上)ですので、さまざまな疾患が合併している場合が多いです。
訪問看護で多い疾患ランキング(医療保険&介護保険)
訪問看護で総合的に多い疾患ランキングは以下の通りです。
訪問看護で多い疾患ランキング
- 脳血管疾患:12.9%
- 認知症(アルツハイマー病含む):8.9%
- 悪性新生物:8.5%
- 筋肉骨格系:8.4%
- 統合失調症:5.8%
- 糖尿病:5.0%
- パーキンソン病:4.9%
- 損傷、中毒等:4.4%
- 高血圧系疾患:4.4%
- 呼吸器系の疾患:4.3%
- 心疾患:4.2%
訪問看護で多い疾患の特徴
訪問看護は0歳〜超高齢者まで幅広い層が利用されます。
そのため、さまざまな疾患の利用者がいるという特徴があります。
また、医療度が高い疾患の人が多いことも特徴として挙げられます。
例えば、以下のような状態にある人です。
- 褥瘡の予防や処置が必要な人
- 気管カニューレが装着されている人
- 浣腸や摘便が必要な人
- 喀痰や吸引が必要な人
- 人工透析を受けている人
- 在宅酸素療法を受けている人
- 人工肛門の人
- 胃ろう、腸ろうの人
- ターミナルケアが必要な人
訪問看護には、病棟みたいに『〇〇科』『〇〇病棟』のような括りがありません。
ですので、本当に色々な疾患の利用者さんがくるフィールドだと思っていてください。
「こんな疾患聞いたこともないよ」という疾患の依頼も来ます。
しかし、聞いたことがない疾患はみんな聞いたことがないので、そんなに不安にならなくても大丈夫です。
そのために主治医や他の医療機関、訪問看護ステーション内などで連携をして協力し合い、その都度調べながら看護を行なっていけば大丈夫です。
今回は、訪問看護に多い疾患についてお話しさせていただきました。
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