先に結論をお伝えします。グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の介護職の仕事内容は、5〜9人の認知症の利用者と一緒に、料理・掃除・洗濯などの家事をしながら生活を支えることです。入浴や排せつの介助もありますが、特養などの施設に比べて「家事を一緒に行う」「一人ひとりの役割をつくる」比重が大きいのが特徴です。ユニットごとに夜勤が1人以上必要なため、夜勤のあるシフト制が一般的です。

この記事では、グループホームの介護職の仕事内容を、介護保険法・指定地域密着型サービス基準・厚生労働省の調査の原文を確認して整理しました。

この記事でわかること
  • グループホームの介護職の具体的な仕事内容
  • 1日の流れの一例
  • 人員基準と夜勤の人数
  • グループホームの介護職の給料と必要な資格
  • 向いている人と、求人を見るときの確認点

グループホームの介護職の仕事内容

介護保険法では、グループホームのサービスを「要介護者であって認知症であるもの」について、共同生活を営む住居で、入浴・排せつ・食事等の介護その他の日常生活上の世話と機能訓練を行うことと定めています(第8条第20項)。

指定地域密着型サービス基準(平成18年厚生労働省令第34号)では、運営について次のように定めています。

  • 家事は利用者と一緒に:「利用者の食事その他の家事等は、原則として利用者と介護従業者が共同で行うよう努めるものとする」(第99条第3項)
  • 役割のある生活:利用者がそれぞれの役割を持って、家庭的な環境の下で日常生活を送れるよう配慮する(第97条第2項)
  • 画一的にしない:計画にもとづき、漫然かつ画一的なものとならないよう配慮する(第97条第3項)
  • 趣味や活動の支援:利用者の趣味や嗜好に応じた活動を支援するよう努める(第100条第1項)

具体的には、献立づくりや買い物、調理、配膳、片付け、洗濯物たたみ、掃除を、利用者ができる部分を見きわめながら一緒に行います。介護職がすべてやってしまうより、利用者に「できること」をしてもらうのが仕事です。これに入浴・排せつの介助、服薬の確認、記録、家族との連絡が加わります。

グループホームの1日の流れ(介護職の一例)

時間介護職の仕事
7:00起床の声かけ、着替え、朝食づくりと朝食
9:00片付け、洗濯、掃除を利用者と一緒に
10:00入浴介助、散歩や買い物
11:00昼食づくり(野菜を切る、盛り付けるなどを分担)
12:00昼食、服薬の確認、口腔ケア
14:00レクリエーション、趣味の活動、おやつ
17:00夕食づくりと夕食
19:00〜就寝の介助、夜間の見守り(夜勤)

時間割は事業所によって違います。決まった日課をこなすより、その日の利用者の様子に合わせて予定を組み替える柔軟さが求められます。

ちびウルフちびウルフ

利用者さんに料理してもらうと、かえって時間がかかりそう…

リハウルフリハウルフ

かかります。でも、包丁を持つと昔の手つきが戻って、表情がぐっと変わる方がいるんです。時間がかかることを前提に段取りを組むのが、グループホームの介護職の腕の見せどころですよ。火や刃物の安全確認だけは、職員がしっかり見ておきます。

グループホームの人員基準と夜勤の人数

指定地域密着型サービス基準 第90条第1項(要旨)

共同生活住居ごとに、夜間及び深夜の時間帯以外の時間帯に介護従業者を、常勤換算方法で、利用者の数が三又はその端数を増すごとに一以上とするほか、夜間及び深夜の時間帯を通じて一以上の介護従業者に夜間及び深夜の勤務を行わせるために必要な数以上とする。

  • 日中:利用者3人に1人以上(常勤換算)。9人のユニットなら3人以上
  • 夜間・深夜:ユニットごとに1人以上が夜勤(宿直は含まない)
  • 例外:3ユニットがすべて同じ階で隣接しているなど、安全が確保されている場合は、事業所全体で夜勤2人以上とできる
  • ユニットの大きさ:1ユニットの入居定員は5〜9人、事業所のユニット数は1〜3(第93条)

夜勤は1ユニット(最大9人)を1人で見る形が基本になります。介護従業者のうち1人以上は常勤であること(第90条第3項)、計画作成担当者を置き、うち1人以上は介護支援専門員であること(同条第5項・第7項)も定められています。夜間の体制を手厚くした事業所が算定する加算はグループホームの夜間支援体制加算とは?で解説しています。

グループホームの介護職の給料

厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、介護職員等処遇改善加算を取得している事業所で、月給・常勤の介護職員の平均給与額は次のとおりです。

サービス平均給与額(月)平均年齢
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)302,010円48.1歳
介護老人福祉施設(特養)361,860円42.2歳
介護職員全体338,200円45.7歳

平均給与額は、基本給に手当と一時金(4〜9月支給額の6分の1)を足した額で、手取り額ではありません。夜勤があっても、特養より低い水準です。事業所の規模が小さいことが影響していると考えられますが、調査からは理由までは読み取れません。給料の全体像は介護士の平均年収はいくら?で比べられます。

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グループホームの介護職に必要な資格

指定地域密着型サービス基準には、介護従業者の資格要件は書かれていません。無資格・未経験でも介護職として働けます。

ただし、事業者には、無資格の介護従業者に認知症介護基礎研修を受講させるための措置が義務づけられています(第103条第3項)。利用者全員が認知症の方なので、入職後の早い時期に受講することになるはずです。管理者や計画作成担当者になるには、厚生労働大臣が定める研修の修了などが別に必要です(第90条第6項ほか)。資格の全体像は介護・福祉の資格おすすめ10選で比べられます。

向いている人・大変なこと

  • 向いている人:料理や家事が苦にならない人、一人ひとりとじっくり関わりたい人、認知症ケアを深めたい人
  • 大変なこと:夜勤は1ユニットを1人で見るため、夜間の不穏や転倒への対応を一人で判断する場面がある
  • 気をつけたいこと:少人数の職場なので、職員どうしの関係が働きやすさに直結しやすい

認知症の人への声かけは認知症の親との接し方、怒りっぽくなったときの対応は認知症の人が怒るのはなぜ?も参考になります。

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夜勤で一人なのは不安だなあ…

リハウルフリハウルフ

最初は誰でも不安です。だからこそ、面接では「夜勤の前に何回同行があるか」「夜間に連絡できる人は誰か」を聞いておきましょう。複数ユニットの事業所なら、隣のユニットの夜勤者と声をかけ合える体制のところもありますよ。

求人を見るときの確認点

  • ユニット数:1ユニットか、2〜3ユニットか。複数ユニットだと夜勤者どうしで助け合いやすい
  • 夜勤の形と回数:夜勤の時間、月の回数、夜勤手当、夜勤前の同行の回数
  • 家事の分担:調理を職員がどこまで担うか、食材の配達や献立があるか
  • 医療との連携:協力医療機関、訪問看護との連携、看取りへの対応
  • 研修の体制:認知症介護基礎研修やその先の研修を受けられるか

グループホームそのものの仕組みはグループホームとは?で解説しています。

よくある質問

グループホームの介護職は無資格でも働けますか?

働けます。指定地域密着型サービス基準では、介護従業者に資格要件は定められていません。無資格の場合は、事業所の案内で認知症介護基礎研修を受講します。

グループホームの夜勤は何人ですか?

基準では、共同生活住居(ユニット)ごとに夜間・深夜を通じて1人以上の夜勤が必要です。3ユニットが同じ階で隣接しているなど安全が確保されている場合は、事業所全体で2人以上とできる例外があります。

グループホームの介護職は料理もしますか?

します。基準では、食事その他の家事は原則として利用者と介護従業者が共同で行うよう努めるとされています。職員だけで作るのではなく、利用者ができる部分を一緒に行います。

グループホームの介護職の給料はいくらですか?

令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、処遇改善加算を取得している事業所の月給・常勤の介護職員で、認知症対応型共同生活介護の平均給与額は302,010円です。手当と一時金を含む額で、手取りではありません。

グループホームは何人の利用者を担当しますか?

1ユニットの入居定員は5〜9人です。日中は利用者3人に1人以上の介護従業者を配置する基準のため、9人のユニットなら日中は3人以上で見ることになります。

まとめ
  • グループホームの介護職は、5〜9人の認知症の利用者と家事をしながら生活を支える
  • 家事は原則として利用者と一緒に行うよう努めることが基準に書かれている
  • 日中は利用者3人に1人以上、夜間はユニットごとに1人以上の夜勤が基準
  • 月給・常勤の平均給与額は302,010円
  • 資格要件はなく、認知症ケアを実践の中で深められる
参考にした情報

※本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。グループホームの定義は介護保険法、人員・設備・運営の基準は指定地域密着型サービス基準、給与額は令和6年度介護従事者処遇状況等調査にもとづいて整理しています(2026年10月確認)。給与額は調査対象の平均で、地域・法人・資格・夜勤回数によって異なります。1日の流れ・向いている人・求人の確認点に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、事業所によって異なります。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/介護支援専門員/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味