「訪問リハビリテーション1・2・3とは何のこと?」「訪問リハビリ1と2では何が違うの?」——介護報酬の請求やケアプラン作成のなかで、こうした番号の意味につまずいた経験はありませんか。

結論からお伝えすると、訪問リハビリ1・2・3はサービスを提供する事業所の種類(施設区分)を表すサービスコードの分類です。この記事では、厚生労働省の定義をもとに、1・2・3それぞれの違い、令和6年度の基本報酬、最新の事業所数までを、現役理学療法士の視点でわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 訪問リハビリテーション1・2・3とは何か(サービスコードの意味)
  • 訪問リハビリ1・2・3の違いと、予防訪問リハとの関係
  • 厚生労働省による訪問リハビリテーションの定義
  • 令和6年度改定後の基本報酬(単位数)の概要
  • 最新の訪問リハビリ事業所数と開設者種別の割合

訪問リハビリテーション1・2・3とは?まず結論

訪問リハビリテーション1・2・3とは、介護報酬を請求するときに使う「サービスコード」の分類のことです。同じ訪問リハビリテーションでも、サービスを提供する事業所がどの施設に併設されているかによって番号が分かれています。

区分提供する事業所
訪問リハビリテーション1病院または診療所
訪問リハビリテーション2介護老人保健施設(老健)
訪問リハビリテーション3介護医療院

要支援者向けの「介護予防訪問リハビリテーション」も同じ考え方で、予防訪問リハ1(病院・診療所)、予防訪問リハ2(老健)、予防訪問リハ3(介護医療院)に分かれます。

ちびウルフちびウルフ

1・2・3って、サービスの質や内容が違うってことなの?

リハウルフリハウルフ

いい質問だね。中身が違うわけじゃないよ。あくまで「どこが提供しているか」という事業所の種類を区別するための番号なんだ。利用者が受けるリハビリの内容そのものが1・2・3で変わるわけではないよ。

訪問リハビリ1と2の違いとは?

訪問リハビリ1と2の違いは、ずばりサービスを提供する事業所の種類です。訪問リハビリ1は病院・診療所が、訪問リハビリ2は介護老人保健施設(老健)が提供します。

どちらも医師の指示にもとづき、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が利用者の自宅を訪問してリハビリを行うという点は共通しています。基本報酬の単位数も同じです。違うのは「提供する母体の施設」だけと理解しておけば、請求やケアプラン上で迷うことはありません。

ポイント訪問リハビリ1・2・3はサービスの優劣や報酬額の差ではなく、提供事業所の施設区分の違いです。基本報酬(単位数)は1・2・3で共通しています。

厚生労働省による訪問リハビリテーションの定義

そもそも訪問リハビリテーション(介護保険)とは何かを、厚生労働省の定義で確認しておきましょう。

訪問リハビリテーションの定義

厚生労働省は、訪問リハビリテーションを次のように定義しています。「居宅要介護者について、その者の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われる理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」。

つまり、通院が難しい人の自宅に専門職が出向き、心身機能の維持回復と生活の自立を支えるのが訪問リハビリの役割です。

訪問リハビリテーション費の定義

報酬上は、「通院が困難な者に対して、指定訪問リハビリテーション事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、計画的な医学管理を行っている医師の指示に基づき、指定訪問リハビリテーションを行った場合に算定する」とされています。

ここで重要なのは、「医師の指示」が必須である点です。訪問リハビリは医療職が単独で判断して行うものではなく、計画的な医学管理のもとで提供されるサービスだという前提を押さえておきましょう。

ちびウルフちびウルフ

訪問リハビリを提供できる事業所には条件があるの?

リハウルフリハウルフ

あるよ。訪問リハビリを行えるのは「病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院」のいずれかで、専任の常勤医師1名以上の配置などの人員基準を満たす必要があるんだ。だからこそ提供事業所が1・2・3に分かれているんだね。

訪問リハビリを提供できる事業所と人員基準

訪問リハビリテーションを提供できるのは、次の4種類の事業所です(介護療養型医療施設は令和6年3月末で廃止)。

  • 病院(訪問リハビリ1)
  • 診療所(訪問リハビリ1)
  • 介護老人保健施設(訪問リハビリ2)
  • 介護医療院(訪問リハビリ3)

人員基準としては、専任の常勤医師を1名以上配置すること、そして理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を適当数置くことが求められます。なお併設の病院などがある場合、当該施設の常勤医師との兼務でも差し支えないとされています。

注意訪問リハビリ事業所には「医師の必置」という指定基準があります。この基準が事業所の新規開設のハードルになっているとして、近年は基準緩和の議論も進められています。制度は改定のたびに見直されるため、開設を検討する際は最新の指定基準を必ず確認してください。

令和6年度改定後の基本報酬(単位数)

訪問リハビリテーションの基本報酬は、令和6年度(2024年度)介護報酬改定により1回(20分以上)あたり308単位となっています(改定前は307単位)。この単位数は訪問リハビリ1・2・3で共通です。

算定回数には上限があり、原則として1週に6回が限度です。ただし、退院・退所の日から起算して3か月以内の利用者に対し、医師の指示にもとづき継続してリハビリを行う場合は、週12回まで算定が可能です。退院直後の早期介入を後押しする仕組みになっています。

項目内容
基本報酬(令和6年度)308単位/回(20分以上)
算定回数の限度原則 週6回まで
退院・退所後3か月以内週12回まで算定可能
ポイント基本報酬に加えて、短期集中リハビリテーション実施加算やリハビリテーションマネジメント加算など、利用者の状態や事業所の体制に応じた各種加算・減算が設定されています。実際の請求では最新の加算要件を確認しましょう。

最新の訪問リハビリ事業所数と開設者種別の割合

訪問リハビリテーションの請求事業所数は年々増加しています。厚生労働省の介護給付費等実態統計(令和4年4月審査分)では、訪問リハビリの請求事業所数は約5,200事業所にのぼり、受給者数も令和4年時点で約13.6万人と増加傾向が続いています。

開設者種別の割合(訪問リハビリ1・2・3の構成)

では、訪問リハビリ1・2・3はそれぞれどのくらいの割合を占めているのでしょうか。厚生労働省の集計(令和4年4月審査分)では、開設者種別の割合は次のとおりです。

区分開設者種別割合(事業所数)
訪問リハビリ1病院・診療所76.8%(約3,994事業所)
訪問リハビリ2介護老人保健施設23.1%(約1,200事業所)
訪問リハビリ3介護医療院0.001%(約9事業所)

このデータから、訪問リハビリ1(病院・診療所)が全体の約8割を占めて圧倒的に多いことがわかります。次いで訪問リハビリ2(老健)が約2割、訪問リハビリ3(介護医療院)はごくわずかという構成です。

介護医療院は2018年に創設された比較的新しい施設であり、施設数自体が増えている途上です。今後、介護医療院による訪問リハビリ(訪問リハビリ3)が増加していく可能性もあります。

ちびウルフちびウルフ

どうして病院・診療所の訪問リハビリ1がこんなに多いの?

リハウルフリハウルフ

そもそも病院・診療所の数が多く、入院・外来とつながる形で訪問リハビリを始めやすいからだよ。一方で老健は全施設のうち約3割しか訪問リハビリを実施していないという調査もあって、国は老健や介護医療院による訪問リハビリの拡充を課題にあげているんだ。

訪問リハビリの現場で押さえておきたいポイント(PT・OT・ST向け)

訪問リハビリに関わるPT・OT・STにとって、1・2・3の区分は「自分の事業所がどのコードで請求するか」を正しく把握するうえで欠かせない知識です。あわせて、現場で混同しやすい点を整理しておきましょう。

  1. 自事業所の施設区分を確認する——病院・診療所なら訪問リハビリ1、老健なら2、介護医療院なら3。請求コードを取り違えないことが第一歩です。
  2. 医師の指示と計画的な医学管理が前提であることを再確認する——指示なしの訪問リハビリは算定できません。
  3. 退院・退所後3か月以内は週12回まで算定できる点を活用する——早期介入はADL改善に有利というデータもあり、ケアマネジャーとの連携が鍵になります。
ポイント「訪問リハビリ1・2・3」と、医療保険の「疾患別リハビリテーション」は別物です。介護保険の生活期リハビリ(訪問リハビリ1・2・3)と、医療保険の急性期・回復期リハビリの役割分担を理解しておくと、退院後の移行支援がスムーズになります。

訪問リハビリ1・2・3に関するよくある質問

訪問リハビリ1・2・3でサービス内容は変わりますか?
サービス内容は変わりません。1・2・3は提供事業所の施設区分(病院・診療所/老健/介護医療院)を表すサービスコードの分類であり、利用者が受けるリハビリの内容や基本報酬の単位数は共通です。
訪問リハビリ1と2で基本報酬は違いますか?
基本報酬は同じです。令和6年度改定後はいずれも1回(20分以上)あたり308単位で、提供事業所が病院・診療所か老健かによって単位数が変わることはありません。
予防訪問リハビリ1・2・3とは何ですか?
要支援者を対象とする「介護予防訪問リハビリテーション」のサービスコード分類です。予防訪問リハ1(病院・診療所)、予防訪問リハ2(老健)、予防訪問リハ3(介護医療院)に分かれ、考え方は要介護向けと同じです。
訪問リハビリは誰でも利用できますか?
通院が困難で、計画的な医学管理を行う医師の指示がある要介護(要支援)認定者が対象です。医師の指示と訪問リハビリ計画にもとづいて提供されます。
訪問リハビリ3(介護医療院)が極端に少ないのはなぜですか?
介護医療院は2018年に創設された新しい施設で、施設数自体がまだ少ないためです。今後、介護医療院の増加に伴い訪問リハビリ3も増えていく可能性があります。
まとめ
  • 訪問リハビリ1・2・3は、提供事業所の施設区分を表すサービスコードの分類(1=病院・診療所、2=老健、3=介護医療院)。
  • 1・2・3でサービス内容や基本報酬の単位数は変わらず、違うのは「どこが提供するか」だけ。
  • 訪問リハビリは厚生労働省の定義どおり、医師の指示と計画的な医学管理のもとで提供される。
  • 令和6年度改定後の基本報酬は308単位/回(20分以上)、原則週6回まで(退院・退所後3か月以内は週12回まで)。
  • 開設者種別では訪問リハビリ1(病院・診療所)が約76.8%と最多で、訪問リハビリ2が約23.1%、訪問リハビリ3はごくわずか。

出典:厚生労働省「訪問リハビリテーション(社会保障審議会介護給付費分科会 第220回 資料4)」、厚生労働省「介護給付費等実態統計(令和4年4月審査分)」、厚生労働省「令和6年度介護報酬改定」、厚生労働省「令和6年介護サービス施設・事業所調査の概況」

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
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