「老健の超強化型と在宅強化型って、何がどう違うの?」「うちの施設区分を上げるには、どの指標を満たせばいい?」——介護老人保健施設(老健)の運営や相談業務に関わると、必ずぶつかる疑問です。区分の違いは、そのまま基本報酬や算定できる加算、施設の収益に直結します。

この記事では、令和6年度介護報酬改定をふまえて、老健の5類型(超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他型)の違いと、判定のカギになる「在宅復帰・在宅療養支援等指標」の中身を、運営者・相談員・リハ職の目線でわかりやすく整理します。

この記事でわかること
  • 介護老人保健施設の5類型と、それぞれの位置づけ
  • 超強化型と在宅強化型の「決定的な違い」(指標の点数)
  • 在宅復帰・在宅療養支援等指標10項目の点数の付き方(令和6年度)
  • 上位区分を取るために運営・リハ部門が押さえるべきポイント
ちびウルフ
ちびウルフ

リハウルフ先生、超強化型と在宅強化型って名前が似ていて、いつも混乱しちゃうの。

リハウルフ
リハウルフ

よく聞かれるところだね。実はこの2つ、違いはたった1つ。「在宅復帰・在宅療養支援等指標」が何点か、それだけなんだ。まずは5類型の全体像から見ていこう。

介護老人保健施設には5つの施設区分(5類型)がある

介護老人保健施設は、在宅復帰・在宅療養支援機能をどれだけ果たしているかによって、上位から「超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他型」の5類型に区分されます。上位区分ほど基本報酬が高く、在宅復帰を強く後押しする施設と評価される仕組みです。

区分位置づけ報酬上の特徴
超強化型最上位。在宅復帰機能が最も高い基本型サービス費+在宅復帰・在宅療養支援機能加算(Ⅱ)
在宅強化型上位。在宅復帰機能が高い在宅強化型のサービス費(基本報酬が高い)
加算型中位基本型サービス費+在宅復帰・在宅療養支援機能加算(Ⅰ)
基本型標準基本型のサービス費
その他型上記の要件を満たさない基本型より低い評価
POINT

「超強化型」と「加算型」は、基本型のサービス費に在宅復帰・在宅療養支援機能加算を上乗せして算定するタイプ。一方「在宅強化型」は、加算ではなくサービス費そのものが高い区分です。同じ“上位”でも、報酬の取り方が違う点に注意しましょう。

判定のカギ「在宅復帰・在宅療養支援等指標」とは

5類型を分けるものさしが、在宅復帰・在宅療養支援等指標です。下記10項目について、達成度に応じた点数を足し合わせ、合計点(最高値90)で区分を判定します。令和6年度改定後の点数の付き方は次のとおりです。

評価項目点数の付き方(抜粋)
①在宅復帰率50%超=20/30%超=10/30%以下=0
②ベッド回転率10%以上=20/5%以上=10/5%未満=0
③入所前後訪問指導割合35%以上=10/15%以上=5/15%未満=0
④退所前後訪問指導割合35%以上=10/15%以上=5/15%未満=0
⑤居宅サービスの実施数3サービス=5/2(訪問リハ含む)=3/2(訪問リハ含まず)=1/1か0=0
⑥リハ専門職の配置割合条件により5/3/0(PT・OT・STの配置数で判定)
⑦支援相談員の配置割合3以上(社福あり)=5/3以上(社福なし)=3/2以上=1/2未満=0
⑧要介護4又は5の割合50%以上=5/35%以上=3/35%未満=0
⑨喀痰吸引の実施割合10%以上=5/5%以上=3/5%未満=0
⑩経管栄養の実施割合10%以上=5/5%以上=3/5%未満=0

このほか、区分ごとに退所時指導等・リハビリテーションマネジメント・地域貢献活動・充実したリハといった要件を満たす必要があります(出典:厚生労働省/令和6年度介護報酬改定)。

注意

令和6年度改定では、③入所前後訪問指導割合・④退所前後訪問指導割合の指標について見直しが行われ、経過措置が設けられました。数値や要件は告示・通知が改定の基準となります。最新の取り扱いは、必ず厚生労働省の改定資料や自治体の通知で確認してください。

超強化型と在宅強化型の違いは「指標の点数」だけ

結論として、超強化型と在宅強化型の違いは、在宅復帰・在宅療養支援等指標の合計点だけです。求められる要件の中身(退所時指導・リハマネジメント・地域貢献・充実したリハなど)はどちらも満たす必要があります。

区分必要な指標の合計点充実したリハ地域貢献活動
超強化型70以上要件あり要件あり
在宅強化型60以上要件あり要件あり
加算型40以上要件なし要件あり
基本型20以上要件なし要件なし

つまり、在宅強化型として60点をクリアした施設が、あと10点を積み上げれば超強化型に届きます。60点と70点の差は意外と小さいため、在宅復帰率やベッド回転率、訪問指導割合をあと一段引き上げることで、超強化型へ移行できるケースは少なくありません。

ちびウルフ
ちびウルフ

じゃあ、超強化型になるとどんないいことがあるの?

リハウルフ
リハウルフ

超強化型になると、在宅復帰・在宅療養支援機能加算(Ⅱ)が算定できるようになるんだ。在宅復帰をしっかり進める施設ほど、報酬面でも評価される仕組みなんだよ。

上位区分を取るために運営・リハ部門が意識したいこと

指標は「日々の在宅復帰支援の積み重ね」がそのまま点数になります。運営とリハ部門が連携して取り組むことが、上位区分への近道です。

  1. 在宅復帰率・ベッド回転率を高める配点が各20点と大きく、合計点への影響が最も大きい項目です。退所支援の体制づくりと入退所の流れの見直しが効きます。
  2. 入所前後・退所前後の訪問指導を徹底する在宅生活を見据えた訪問指導は、点数だけでなく在宅復帰率の向上にも直結します。
  3. リハ専門職・支援相談員の配置を点検するPT・OT・STや支援相談員(社会福祉士の配置含む)の体制が点数に反映されます。
  4. 充実したリハ(週3回程度以上)を継続する超強化型・在宅強化型では必須要件。リハ提供体制の維持が前提になります。

よくある質問(FAQ)

超強化型と在宅強化型で、満たすべき要件の中身は違いますか?

退所時指導等・リハビリテーションマネジメント・地域貢献活動・充実したリハといった要件は、どちらも満たす必要があります。違いは在宅復帰・在宅療養支援等指標の合計点で、超強化型は70以上、在宅強化型は60以上です。

在宅復帰・在宅療養支援等指標の最高点は何点ですか?

10項目を合計した最高値は90点です。配点はベッド回転率と在宅復帰率が各20点と大きく、ここが合計点を左右しやすい項目になります。

加算型と基本型の違いは何ですか?

加算型は指標40以上で、基本型サービス費に在宅復帰・在宅療養支援機能加算(Ⅰ)を上乗せできます。基本型は指標20以上で、地域貢献活動や充実したリハの要件は問われません。

区分判定の数値は、どこで最新情報を確認すべきですか?

厚生労働省の介護報酬改定資料・告示・通知が基準です。指標の見直しや経過措置が入ることもあるため、運用にあたっては最新の改定資料と自治体の通知を必ず確認してください。

まとめ|違いは「指標の点数」。日々の在宅復帰支援が区分をつくる

老健の5類型は、在宅復帰・在宅療養支援機能をどれだけ果たしているかの評価です。超強化型と在宅強化型の違いは、在宅復帰・在宅療養支援等指標が70点か60点か——この一点に集約されます。

この記事のまとめ
  • 老健は上位から超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他型の5類型
  • 超強化型は指標70以上、在宅強化型は60以上。違いは指標の合計点だけ
  • 指標は10項目・最高90点。在宅復帰率とベッド回転率(各20点)の影響が大きい
  • 数値・要件は厚生労働省の令和6年度改定資料と自治体通知で必ず確認を

在宅復帰支援の積み重ねが、そのまま施設区分と報酬につながります。上位区分を目指し、運営とリハ部門で連携していきましょう。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「訪問リハビリマガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味
PR

リハビリ職の転職・求人なら
レバウェルリハビリ

リハノメ 無料で求人を見る ▶
PR

PT・OT・STのオンラインセミナー
リハノメ

リハノメ セミナーを詳しく見る ▶