介護の職務経歴書の書き方|そのまま使える例文5選

介護職の職務経歴書で落とされる原因は、経験不足ではありません。「何をしてきたか」しか書いておらず、「何ができるか」が書かれていないことです。「入浴介助・排泄介助・食事介助を担当」だけでは、どの応募者も同じ内容になり、選ぶ材料になりません。
この記事では、介護職の職務経歴書の書き方を、そのまま使える例文つきで整理しました。ケアマネジャーとして事業所側の立場も経験した視点から、採用側が実際に見ている箇所を書いています。
- 介護の職務経歴書で採用担当が最初に見る箇所
- 「業務内容の羅列」から抜け出す書き方
- 数字で書ける項目の見つけ方
- 経験別(未経験・経験者・ブランク・複数事業所)の例文
- 施設から在宅、在宅から施設へ移るときの書き方
- 短期離職が続いている場合の書き方
- 資格の書き方と順番
- やってはいけない書き方
介護の職務経歴書で採用側が見ているところ
| 見ている点 | 知りたいこと |
|---|---|
| 経験した利用者像 | 要介護度、認知症の有無、医療的ケアの範囲 |
| 規模と体制 | 定員、夜勤の人数、担当した人数 |
| 担った役割 | リーダー、委員会、新人指導、記録の整備 |
| できる業務の範囲 | 喀痰吸引、記録ソフト、送迎、計画作成の補助 |
| 辞めた理由と続く見込み | 同じ理由で辞めないか |
採用側は「入職後どのくらいで戦力になるか」を判断しています。したがって、業務名の羅列ではなく、どんな利用者を、どんな体制で、何人みてきたかが書かれているほど読みやすくなります。
書き方の基本|業務の羅列から抜け出す
| よくある書き方 | 改善した書き方 |
|---|---|
| 入浴介助、排泄介助、食事介助を担当 | 定員80名の特別養護老人ホームで、要介護3〜5・認知症のある入居者を中心に、1フロア20名の生活介護を担当 |
| 夜勤を担当 | 2ユニット20名を1人で担当する夜勤を月4〜5回。急変時は看護オンコールと連携し、記録と申し送りを整備 |
| 新人指導を行った | 新人3名のプリセプターを担当。1か月のチェックリストを作成し、独り立ちまでの期間を短縮 |
| 記録を行った | 介護記録ソフト(種類名)を使用。フロアの記録様式を見直し、申し送り時間を短縮 |
介護の職務経歴書の例文
例文1|経験者(特養から特養へ)
- 特別養護老人ホームで8年間、介護職員として従事してまいりました。定員80名・4ユニットの施設で、要介護3〜5、認知症のある入居者を中心に日常生活の支援を担当しています。直近3年はユニットリーダーとして職員6名のシフト管理と新人指導を行い、看取りにも複数回関わってきました。前職で培った、状態変化に早く気づき看護職につなぐ判断を、貴施設でも活かしたいと考えております。
例文2|未経験から介護職へ
- 前職では小売業で6年間、接客と売り場管理を担当してまいりました。高齢のお客様への対応が多く、相手の状態に合わせて話す速さや言葉を変えることを日常的に行ってきました。祖母の在宅介護を家族で担った経験から介護の仕事を志し、介護職員初任者研修を修了しております。介護の実務経験はありませんが、記録や報告を正確に行うことは前職で徹底してきたため、早期に業務を覚え、戦力になれるよう努めます。
未経験の場合、前職で身につけた「移せる力」を1つに絞るのがコツです。あれもこれも書くと薄くなります。接客、体力、記録の正確さ、シフト勤務の経験など、介護で使える要素を選んでください。
例文3|ブランクからの復帰
- 介護老人保健施設で5年間、介護職員として勤務した後、育児のため3年間離職しておりました。ブランク期間中も介護福祉士の資格を保持し、地域の認知症サポーター養成講座を受講するなど、知識の維持に努めてまいりました。子どもが小学校に入学し、日中の勤務が安定して可能になったため、復職を希望しております。ブランクによる不安はありますが、基本の介助技術と記録は身についており、変わった点は早期に学び直す姿勢で臨みます。
ブランクは隠さず、「なぜ空いたか」「今は働ける状況か」「何をしていたか」の3点を短く書きます。採用側が心配しているのは技術より、勤務が続く見込みのほうです。
例文4|施設から在宅(訪問介護)へ
- 介護老人保健施設で6年間、介護職員として勤務してまいりました。在宅復帰を目標とする施設のため、リハビリ専門職と連携しながら、退所後の生活を想定した動作の支援に関わってきました。退所後のご自宅での生活を継続的に支えたいと考え、訪問介護を志望しております。1人で判断する場面が増えることは理解しており、報告・連絡・相談を徹底し、サービス提供責任者と密に連携して業務にあたります。
施設から在宅へ移る場合、「1人で訪問して大丈夫か」が最大の懸念です。ここに先回りして触れておくと、印象が変わります。
例文5|複数の事業所を経験している場合
- デイサービス、グループホーム、訪問介護と、3種類のサービスで通算9年間従事してまいりました。それぞれの現場を経験したことで、利用者が1日のうちどの場面でどんな支援を受けているかを、サービスをまたいで想像できるようになりました。とくにグループホームでの4年間では、認知症のある方の生活歴に沿った関わりを学び、行動の背景を考える習慣が身についています。
転職回数が多い場合は、「経験の幅」として1つの強みにまとめ直すのが有効です。ただし、事実と異なる意味づけはしないでください。面接で必ず掘り下げられます。
短期離職が続いている場合の書き方
- 期間が短い職歴も省略しない(経歴詐称になります)
- 理由は簡潔に書く(長く書くほど言い訳に見えます)
- 「合わなかった」ではなく、条件で説明する(夜勤の回数、通勤時間、家庭の事情など)
- 今回はなぜ続くと考えているかを1文入れる
- 前職は夜勤専従での勤務でしたが、家族の介護が重なり日勤帯での勤務が必要となったため、10か月で退職しております。現在は家族の状況が落ち着き、日勤で長く勤められる環境を希望しております。
資格と研修の書き方
| 書く順番 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 介護福祉士、介護支援専門員など、業務に直結する国家資格・公的資格 |
| 2 | 実務者研修、初任者研修 |
| 3 | 喀痰吸引等研修(第1号・第2号など号数まで書く) |
| 4 | 認知症介護実践者研修などの現任研修 |
| 5 | 普通自動車運転免許(訪問・送迎がある事業所では重要) |
喀痰吸引等研修は号数まで書いてください。対応できる範囲が変わるため、採用側にとって重要な情報です。取得予定のものは「〇年〇月取得予定」と明記します。
ちびウルフ特別なことをしてこなかったから、書くことがないんだけど…。
リハウルフ毎日続けたことが、いちばん書く価値があります。「同じ利用者を3年担当した」は立派な経歴です。担当が続いたということは、信頼されていたということですから。派手な実績を探すより、続けたこと・任されたことを思い出してください。
やってはいけない書き方
- 業務名だけを箇条書きで並べる(誰が書いても同じになります)
- 前職の批判を書く(人手不足、上司との不和など。面接でも同様です)
- 利用者の個人情報が特定できる書き方をする(施設名と状態を結びつけるなど)
- 資格を「勉強中」と曖昧に書く(受験予定なら時期を明記します)
- 手書きにこだわりすぎる(読みやすさが優先です)
- A4で3枚以上になる(1〜2枚に収めます)
よくある質問
介護の職務経歴書は何枚が適切ですか?
A4で1〜2枚に収めてください。3枚以上になると読まれにくくなります。経験が多い場合は、直近と応募先に関係する経験を厚く書き、古いものは簡潔にします。
手書きとパソコンのどちらがよいですか?
指定がなければパソコンで問題ありません。読みやすさが優先です。
書くことがない場合はどうすればよいですか?
実績ではなく、規模と役割の数字を書いてください。定員、担当人数、夜勤の回数、勤続年数などは必ず存在します。続けたこと・任されたことも立派な材料です。
転職回数が多いと不利ですか?
回数そのものより、同じ理由で辞めないかを見られます。理由を条件で簡潔に説明し、今回続くと考える根拠を1文添えてください。
ブランクは書かないほうがよいですか?
書いてください。空白期間があると必ず質問されます。理由、現在は働ける状況であること、期間中に取り組んだことの3点を短くまとめます。
喀痰吸引等研修は書くべきですか?
必ず書いてください。号数まで明記します。対応できる範囲が変わるため、採用側にとって重要な情報です。
志望動機は職務経歴書に書きますか?
履歴書に書くのが一般的ですが、職務経歴書の最後に「志望理由」として数行入れる形でも構いません。両方に書く場合は内容を矛盾させないでください。
前職の不満は書いてよいですか?
書かないでください。事実として労働条件を説明する場合も、批判的な表現は避け、希望する条件として書き換えてください。
利用者のことをどこまで書けますか?
個人が特定できる記述は避けてください。「要介護4、認知症のある入居者」のように属性で書きます。守秘義務への意識も評価の対象です。
- 介護の職務経歴書で落ちる原因は、業務名の羅列で終わっていること
- 採用側は「入職後どのくらいで戦力になるか」を見ている
- 経験した利用者像、規模と体制、担った役割、できる業務の範囲を書く
- 定員、担当人数、夜勤回数、フロア数など体制の数字は必ず存在する
- 成果が数字にできない場合は、規模の数字で置き換える
- 未経験は、前職から移せる力を1つに絞る
- ブランクは隠さず、理由・現状・期間中の取り組みを短く書く
- 施設から在宅へ移る場合は「1人で訪問できるか」に先回りして触れる
- 転職回数が多い場合は「経験の幅」としてまとめ直す
- 短期離職の理由は条件で説明し、長く書かない
- 資格は業務に直結するものから順に書く
- 喀痰吸引等研修は号数まで明記する
- 前職の批判は書かない
- 利用者が特定できる記述は守秘義務の観点から避ける
- A4で1〜2枚に収める
※本記事の例文および書き方に関する記述は、筆者(理学療法士・介護支援専門員)の実務経験にもとづく整理であり、採用の可否を保証するものではありません。例文はそのまま転記せず、ご自身の経験に置き換えてご使用ください。応募書類の形式や求められる内容は、事業所や求人によって異なります。事実と異なる記載は経歴詐称となるため、行わないでください。2026年9月時点の情報として整理しています。





