退院時共同指導加算とは?訪問リハの単位数・算定要件【令和6年度】

「退院前カンファレンスに参加したけれど、訪問リハビリで退院時共同指導加算はどう算定すればいいの?」——令和6年度の介護報酬改定で新設されたこの加算は、病院と在宅をつなぐ連携をしっかり評価してくれる、現場にとってうれしい加算です。一方で、「参加すれば算定できる」と思い込むと、要件を満たせず算定もれや返戻につながりかねません。
この記事では、訪問リハビリテーションにおける退院時共同指導加算について、単位数・算定要件・算定の流れ・注意点を、現役の訪問理学療法士の視点で、根拠(厚生労働省資料)にもとづいてわかりやすく整理します。読み終えるころには「自分の事業所で、どんなときに600単位を算定できるか」がはっきりイメージできるはずです。
- 退院時共同指導加算とは何か(令和6年度改定での新設のねらい)
- 訪問リハビリの単位数(600単位/回)と算定回数のルール
- 「退院前カンファレンス参加→初回訪問リハ」までの算定の流れ
- テレビ電話(オンライン)対応・記録・併算定など実務の注意点
- 通所リハと両方利用する場合の取り扱い
退院時共同指導加算とは?【訪問リハビリテーション】
退院時共同指導加算とは、退院時の情報連携を促進し、退院後早期から連続的で質の高いリハビリテーションを提供することを目的に、令和6年度(2024年度)介護報酬改定で訪問リハビリテーションに新設された加算です。
具体的には、医療機関から退院する利用者に対し、退院後に介護保険の訪問リハビリを行う事業所の理学療法士等(医師・PT・OT・ST)が、医療機関の退院前カンファレンスに参加し、在宅生活に必要なリハビリの指導を医療機関側と共同で行ったことを評価するものです。
ちびウルフ退院前カンファレンスって、これまでも参加してましたよね?なんで今さら加算が新設されたんですか?
リハウルフいいところに気づいたね。これまで病院↔ケアマネの連携は評価されていたけど、リハ事業所が直接カンファに入って指導内容を在宅計画に反映する部分は十分に評価されていなかったんだ。そこをきちんと点数化したのが、この退院時共同指導加算なんだよ。
退院直後はADL(日常生活動作)が変化しやすく、リハビリの方向性を間違えると再入院や機能低下につながりやすい時期です。だからこそ、病院での状態・リスク・目標を在宅側がそのまま引き継ぎ、初回訪問からブレずに支援できるよう、連携の労力を評価する設計になっています。
単位数
訪問リハビリテーションにおける退院時共同指導加算の単位数は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加算名 | 退院時共同指導加算 |
| 単位数 | 600単位/回 |
| 算定回数 | 1回の退院につき1回まで |
| 新設年度 | 令和6年度(2024年度)介護報酬改定 |
算定要件
訪問リハビリテーションで退院時共同指導加算を算定するには、次の要件をすべて満たす必要があります。
病院または診療所に入院中の方が退院するにあたり、訪問リハビリ事業所の医師またはPT・OT・STが、退院前カンファレンスに参加して「退院時共同指導」を行い、その後にその方への初回の訪問リハビリを実施した場合に、当該退院につき1回に限り算定できます。
ここでいう「退院時共同指導」とは、病院・診療所の主治医やPT・OT・STなどの従業者と、利用者の状況等に関する情報を相互に共有したうえで、利用者本人やその家族に対し、在宅でのリハビリに必要な指導を共同して行い、その内容を在宅での訪問リハビリ計画に反映させることを指します。単に会議に同席しただけでは要件を満たさない点に注意しましょう。
- 病院・診療所に入院中の利用者が退院することになる
- 訪問リハビリ事業所の医師またはPT・OT・STが退院前カンファレンスに参加する
- 医療機関側と情報を共有し、本人・家族へ在宅リハに必要な指導を共同で行う(=退院時共同指導)
- 指導内容を在宅の訪問リハビリ計画に反映させる
- 退院後、その利用者への初回の訪問リハビリを実施する
- 当該退院につき1回、600単位を算定する
退院時共同指導の進め方と運用上のルール
算定要件の「退院時共同指導」には、運用面でいくつか押さえておくべきルールがあります。実地指導でも確認されやすいポイントなので、事業所として手順を整理しておきましょう。
ちびウルフカンファレンスって、必ず病院に出向かないとダメなんですか?遠方だと参加が難しいこともあって…。
リハウルフ大丈夫、テレビ電話装置等(オンライン)を活用して行ってもOKなんだ。ただし、本人や家族の同意を得ることと、個人情報・医療情報の安全管理ガイドラインを守ることが前提だよ。
テレビ電話(オンライン)でも実施できる
退院時共同指導は、テレビ電話装置等を活用して行うことができます。ただし、テレビ電話等の活用について、利用者本人またはその家族の同意を得ることが必要です。
あわせて、個人情報保護委員会・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」や、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等を遵守したうえで実施します。オンライン環境やツールの選定も、こうした基準を満たすものにしましょう。
指導内容は必ず記録する
退院時共同指導を行った場合は、その内容を記録することが求められます。誰が・いつ・どの医療機関の誰と・どんな情報を共有し、どのような指導を共同で行ったのか、そしてその内容を在宅のリハビリ計画にどう反映したのかまで記載しておくと、算定根拠として十分なエビデンスになります。
通所リハと訪問リハを両方利用する場合の取り扱い
利用者によっては、退院後に通所リハビリと訪問リハビリの両方を利用するケースがあります。この場合の併算定の可否は、事業所が「別」か「一体的」かで変わります。
| 利用パターン | 退院時共同指導加算の算定 |
|---|---|
| 通所リハと訪問リハが別の事業所で、それぞれの医師等がカンファに参加し共同指導を行った | 各事業所で算定可能 |
| 通所リハと訪問リハが一体的に運営されている | 併算定はできない |
つまり、別法人・別事業所として独立してそれぞれがカンファに参加し共同指導を行ったのであれば、それぞれが算定できます。一方で、同一事業所が一体的に通所・訪問リハを提供している場合は、まとめて1回分の評価となり、両方では算定できません。
ちびウルフうちは通所リハと訪問リハを一体で運営しているので、両方では取れないんですね。
リハウルフそうだね。一体運営だと併算定はできないよ。自事業所がどの形態にあたるかを最初に確認しておくと、算定ミスを防げるよ。
訪問リハ職(PT・OT・ST)が押さえたい実践のコツ
退院時共同指導加算は、ただ点数を取るためのものではなく、退院直後の在宅リハの質を左右する大切な連携そのものです。現場のセラピストとして、次のポイントを意識すると算定も支援もスムーズになります。
また、カンファレンスで共有した情報は、初回訪問までに必ず在宅のリハビリ計画へ落とし込みます。退院から初回訪問までの間が空くと、本人の状態が変化してせっかくの連携が活きません。退院後できるだけ早期に初回訪問を設定することが、加算の趣旨にもかなっています。
連携の場面では、医療機関へ提供する診療情報提供書や、ケアマネジャーとの情報共有もあわせて整えておくと、退院後の支援全体がスムーズになります。退院時共同指導加算を「在宅移行をデザインする入口」として活用しましょう。
退院時共同指導加算に関するよくある質問(FAQ)
退院前カンファレンスに参加すれば、初回訪問をしなくても算定できますか?
同じ退院で2回算定することはできますか?
オンライン(テレビ電話)でカンファに参加した場合でも算定できますか?
記録はどこまで残せばよいですか?
通所リハと訪問リハの両方で算定できますか?
退院時共同指導加算のQ&A(厚生労働省)
厚生労働省から退院時共同指導加算に関する追加のQ&A(解釈通知)が示された場合は、本記事に随時反映していきます。算定にあたっては、最新の介護報酬改定資料・告示・解釈通知を必ずご確認ください。
- 退院時共同指導加算は、令和6年度改定で訪問リハに新設された連携評価の加算
- 単位数は600単位/回、1回の退院につき1回まで
- 「退院前カンファ参加→情報共有・共同指導→在宅計画へ反映→初回訪問の実施」までで算定要件を満たす
- テレビ電話での実施も可(本人・家族の同意+ガイドライン遵守が前提)
- 指導内容は必ず記録する。通所リハと一体運営の場合は併算定不可

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