訪問リハビリと訪問マッサージは併用できる|同日OK・違い・注意点を解説

「訪問リハビリと訪問マッサージは併用できるの?」「同じ日に両方受けても大丈夫?」——介護保険の訪問リハビリと、医療保険(療養費)の訪問マッサージは、制度がまったく別のサービスです。だからこそ「二重取りになるのでは」「ケアマネに止められるのでは」と不安に感じる方が多いところです。
結論からお伝えすると、訪問リハビリと訪問マッサージは併用できます。同じ日に受けることも可能です。この記事では、ふたつのサービスの違い、なぜ併用できるのか、同日利用のルール、必要な手続き、つまずきやすい注意点まで、利用者さん・ご家族とケアマネジャーの両方の目線でやさしく整理します。
- 訪問リハビリと訪問マッサージの違い(保険・時間・担当者)
- 併用できる理由と、同じ日に受けられるかどうか
- 訪問マッサージに必要な「医師の同意書」と手続きの流れ
- 併用するときの注意点とよくある質問
訪問リハビリと訪問マッサージは併用できる【結論】
まず結論です。訪問リハビリと訪問マッサージは、制度上まったく別のサービスのため併用できます。どちらか一方しか選べない、というルールはありません。
たとえばパーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)、脳卒中後遺症などで、リハビリ専門職による訓練と、マッサージによる関節拘縮・筋緊張へのアプローチを両方受けたい、というケースは現場でよくあります。目的が異なるサービスなので、組み合わせて使うこと自体に問題はありません。
ちびウルフリハビリとマッサージ、両方受けたら「やりすぎ」で保険が止められたりしないの?
リハウルフ大丈夫だよ。財布(保険)が別だから二重取りにはならないんだ。リハビリは介護保険や医療保険、訪問マッサージは医療保険の「療養費」というしくみで、別々に給付されるんだよ。
訪問リハビリと訪問マッサージの違いを整理
併用を理解する前に、まず「何がどう違うのか」を押さえておきましょう。担当する職種も、根拠となる保険も、目的も異なります。
| 項目 | 訪問リハビリ | 訪問マッサージ |
|---|---|---|
| 使う保険 | 介護保険または医療保険(条件で決まる) | 医療保険の「療養費」(あん摩マッサージ指圧) |
| 担当者 | 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 | あん摩マッサージ指圧師(国家資格) |
| 1回の時間 | おおむね20〜60分(最大120分の場合も) | おおむね20〜30分 |
| 主な目的 | 歩行・動作練習、生活動作の再獲得、自主練習指導 | 筋麻痺・関節拘縮の改善、血行促進、症状緩和 |
| 開始に必要なもの | 主治医の指示・ケアプランなど | 医師の「同意書」(療養費の要件) |
訪問リハビリは「できる動作を増やす・取り戻す」訓練、訪問マッサージは「つらさをやわらげる」施術、とイメージするとわかりやすいです。役割が重ならないからこそ、組み合わせる意味があります。
訪問リハビリには4つの提供パターンがある
ひとくちに訪問リハビリといっても、提供元と保険によって次の4つに分かれます。どれに当てはまるかは、利用者さんの状態や主治医・ケアマネの判断で決まります。
- 病院・診療所、介護老人保健施設、介護医療院からの介護保険の訪問リハビリ
- 病院・診療所からの医療保険の訪問リハビリ
- 訪問看護ステーションからの介護保険の訪問看護(リハビリ職による訪問)
- 訪問看護ステーションからの医療保険の訪問看護(リハビリ職による訪問)
なぜ訪問リハビリと訪問マッサージは併用できるのか
併用できる最大の理由は、給付のしくみ(財源)が別だからです。訪問リハビリは介護保険または医療保険から給付され、訪問マッサージはあん摩マッサージ指圧の「療養費」として医療保険から支給されます。算定する根拠が異なるため、同じ人が両方を利用しても「二重に算定する」ことにはなりません。
介護保険の訪問リハビリを利用している場合でも、訪問マッサージは介護保険の支給限度額(区分支給限度基準額)の枠を消費しません。療養費は別建てだからです。これも併用しやすい理由のひとつです。
訪問リハビリと訪問マッサージは同じ日に受けられる
同日利用についても結論は「可能」です。時間帯さえ重ならなければ、午前にリハビリ・午後にマッサージといった形で同じ日に両方受けられます。
ただし、利用者さんの体力的な負担には配慮が必要です。続けて受けると疲れてしまう方もいるので、間隔をあけたり、曜日を分けたりする調整は現場でよく行われます。スケジュールはケアマネジャーや各事業所と相談して決めるのが安心です。
ちびウルフ午前リハビリ、午後マッサージって詰め込みすぎ?
リハウルフ制度上はOKだよ。でも体力次第。疲れやすい方は別の曜日に分けることも多いんだ。ご本人のコンディションを最優先に考えようね。
訪問マッサージを使うには「医師の同意書」が必要
訪問リハビリと違い、訪問マッサージを医療保険(療養費)で受けるには、あらかじめ医師の「同意書」を交付してもらう必要があります。これは療養費支給の要件です。同意書がないまま施術を受けても、保険の対象にはなりません。
療養費の対象となるのは、一律に病名で決まるのではなく、筋麻痺・筋萎縮・関節拘縮など「医療上マッサージが必要」と判断される症状がある場合です。判断するのは主治医です。
- 主治医に訪問マッサージを利用したい旨を相談し、同意書を交付してもらう
- 同意書を訪問マッサージの施術所に提出する
- 施術を受け、窓口で一部負担金を支払う(多くは受領委任で本人は1〜3割相当を負担)
- 同意の有効期間が切れる前に、継続するなら再同意を受ける
併用するときによくある組み合わせケース
実際の現場では、次のような併用パターンがよく見られます。
| ケース | 状態の例 | 組み合わせの一例 |
|---|---|---|
| ケースA | パーキンソン病 | 病院からの訪問リハビリ 週2回(各40分)+訪問マッサージ 週2回(各20分) |
| ケースB | ALS(筋萎縮性側索硬化症) | 訪問看護ステーションからの訪問リハビリ 週2回(各60分)+訪問マッサージ 週2回(各20分) |
| ケースC | 脳卒中後の片麻痺 | 介護保険の訪問リハビリ 週1〜2回+拘縮予防の訪問マッサージ 週1〜2回 |
いずれも「機能を高めるリハビリ」と「つらさをやわらげるマッサージ」を役割分担させている点が共通しています。回数や時間は状態・ケアプランによって変わります。
リハ職・ケアマネ目線の実践ポイント
支援する側(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・ケアマネジャー)が押さえておきたいのは、情報共有と役割の明確化です。同じ利用者さんに複数の専門職が入るからこそ、「リハビリは何を目標にしているか」「マッサージはどの部位の緩和を担うか」を共有しておくと、ケアの方向性がぶれません。
また、利用者さん・ご家族から「両方受けてもいいの?」と聞かれた際に、保険のしくみが別であることを一言添えられると安心してもらえます。同意書の交付状況や、訪問のスケジュールが重複していないかも、ケアマネが全体を俯瞰して調整すると現場が動きやすくなります。
併用するときに気をつけたい3つの注意点
併用は制度上問題ありませんが、運用面でつまずきやすいポイントがあります。次の3点を押さえておくとトラブルを防げます。
①スケジュールの重複と体力的な負担
訪問リハビリと訪問マッサージは別事業所が提供するため、訪問日時が近づきすぎて利用者さんが疲れてしまうことがあります。どの曜日に何が入っているかを一覧にして、間隔を確保するのが安心です。介護保険を使っている場合はケアマネジャーが全体を調整してくれます。
②同意書の有効期間の管理
訪問マッサージの同意書には有効期間があり、継続するには期間内に再同意を受ける必要があります。期限が切れると療養費の対象外になってしまうため、更新時期を施術所と一緒に把握しておきましょう。
③目的が重ならないように役割を整理する
リハビリとマッサージで「やること」が大きく重複すると、利用者さんにとって負担が増えるだけになりかねません。リハビリは動作の再獲得、マッサージは症状の緩和、といったように、それぞれの目的を整理して使い分けると、併用の効果が高まります。
訪問リハビリと訪問マッサージの併用に関するよくある質問
訪問リハビリと訪問マッサージを同時に契約しても費用は二重になりませんか?
ケアマネに相談せず訪問マッサージだけ先に始めても大丈夫ですか?
同意書はどの医師に書いてもらえばいいですか?
同じ日に受けると体に負担が大きいのでは?
- 訪問リハビリと訪問マッサージは制度が別なので併用できる
- 同じ日に受けることも可能。ただし体力面に配慮してスケジュール調整を
- 給付の財源が別のため二重取りにはならない
- 訪問マッサージは医師の「同意書」が必要(療養費の要件)
- 支援者は役割分担と情報共有を意識すると、ケアの質が高まる
参考:厚生労働省「はり・きゅう及びあん摩マッサージ指圧の同意書の取扱い」「あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費」関連通知




