理学療法士(PT)は、リハビリテーション分野で重要な役割を果たす専門職です。ケガや病気で身体の機能が低下した患者に対し、動作の回復や痛みの軽減を目指し、専門的な知識と技術を駆使してサポートを行います。医療の一翼を担う職業であるため、理学療法士を目指すにあたり「頭がいい必要があるのか?」と疑問を持つ方も少なくありません。さらに、理学療法士を目指すうえで学力がどれほど求められるか、学科の難易度や必要とされる偏差値も気になるポイントです。
理学療法士になるためには、まず専門の学科を卒業し、国家試験に合格する必要があります。したがって、一定の学力が求められることは間違いありませんが、「どの程度の頭の良さが必要か」という点については、人それぞれの基準や適性による部分も大きいです。この記事では、理学療法士になるための学力や現役理学療法士の実際の状況、年収に関する傾向などについて詳しく見ていきましょう。
理学療法士になるには頭いい必要がある?
理学療法士になるためには、まず理学療法学科などの専門学科を修了する必要がありますが、そこに入学するための学力は、必ずしも「頭が良い」とされるほど高い水準が求められているわけではありません。一般的に、理学療法学科の偏差値は大学によって異なり、トップの大学と比べると平均的な偏差値の大学も多く存在しています。
頭がいいかどうかという基準は、個人の捉え方によって異なるため一概には言えませんが、理学療法士の学科は一般的に「超難関」というほどではないとされています。理学療法士になるために求められるのは、どちらかといえば「知識を正確に理解し、実践に活かす力」や「患者とのコミュニケーション能力」といった、専門知識と人間性が重視される職業です。そのため、学業成績だけではなく、実際の臨床現場でどれだけ患者のために尽力できるかも重要な要素となります。
学科自体の難易度としては、文系の学部と比べると多少高いとされるものの、理学療法士を目指すための意欲や興味が強ければ、しっかりと学び続けることで対応可能です。そのため、「頭が良い」というよりも「向上心があり、学び続けられるかどうか」が大切なポイントと言えるでしょう。
日本の理学療法士学科の大学の偏差値一覧
理学療法士を目指すことができる大学の偏差値は高いところからBF(ボーダーフリー)の大学まで様々です。
BF(ボーダーフリー)の大学も多いわけですので、比較的入りやすいと考えられます。
下記が一例です。
- 京都大学:72.5
- 名古屋大学:67.5
- 弘前大学:65
- 広島大学:65
- 神戸大学:55
- 北里大学:50
- 日本医療科学大学:42.5
- 星城大学:42.5
- 帝京平成大学:40
- 群馬パース大学:40
- 埼玉医科大学:37.5
- 聖隷クリストファー大学:37.5
- 金城大学:35
- 吉備国際大学:35
- 神戸国際大学:35
- 健康科学大学:BF
- 高知リハビリテーション専門職大学:BF
- 日本保健医療大学:BF
現役の理学療法士の頭の良さは色々
実際の理学療法士には、非常に優秀で学業成績が優れた人もいれば、勉強が苦手だったが熱意を持って取り組んでいる人もいます。理学療法士にとって必要なのは、必ずしも学業成績だけで測られる頭の良さではなく、臨床現場で患者に寄り添う姿勢や、日々の経験から学び成長し続ける意欲です。現場での評価は、学力の高さよりも「患者との信頼関係を築く力」や「柔軟に対応する力」が重視されることが多いです。
また、理学療法士はその業務において、医学的知識や専門的な技術を日々の業務に活かす必要があり、学び続ける姿勢が求められます。患者のニーズに応じた適切な対応や、治療効果を引き出すための判断力が求められるため、「頭の良さ」とは単なる知識量ではなく、状況に応じた判断力や思考力も含まれると言えるでしょう。
つまり、理学療法士として活躍するためには、多様な頭の良さが存在しており、学力の高さだけでなく、人間的な賢さや柔軟性も求められる仕事であることがわかります。
理学療法士の給料もピンキリだけど頭いい人は年収が高い傾向あり
理学療法士の給料は、勤務する施設や地域によって差が大きく、経験年数や資格の有無によっても異なります。基本的に、病院やリハビリ施設で勤務する理学療法士の平均年収は350万円から500万円程度とされていますが、専門的な知識を身につけたり、管理職や指導的な立場に就いたりすることで年収が上がるケースもあります。
特に、高度なスキルや専門分野での資格を持っている理学療法士は、年収が高い傾向にあります。たとえば、スポーツリハビリテーションや訪問リハビリの分野で専門性を発揮する場合、一般的な理学療法士よりも高い収入を得られることがあります。さらに、研究や教育の分野に進み、大学の講師としてのポジションを得ることで、年収が大きく上がる可能性もあります。
また、勉強熱心で自己研鑽を積むことで、より多くの知識や技術を身につけることができ、結果的に高収入のポジションに就くことができるかもしれません。理学療法士として高い年収を目指すには、専門性を磨き、知識を積み重ねることが重要なポイントと言えるでしょう。
理学療法士といってもいろいろな分野がある!向いている人は目指そう!
理学療法士といっても、活躍できる分野はさまざまです。たとえば、整形外科や脳神経リハビリ、スポーツリハビリ、訪問リハビリ、介護施設など、多岐にわたります。各分野で求められるスキルや知識も異なり、たとえばスポーツリハビリでは運動学やスポーツ医学の知識が求められる一方で、訪問リハビリではコミュニケーション力や家庭環境に合わせたリハビリ計画を立てる力が求められます。
自分がどのような分野に向いているかを知ることも重要です。興味がある分野や、得意とする技術がある場合、その分野に特化することでさらに活躍の場が広がります。また、理学療法士としての道を歩む中で、自分が目指す方向性や目標を明確にすることも大切です。
理学療法士は、患者の生活の質を向上させるために貢献できるやりがいのある仕事です。自分が興味を持てる分野で、理学療法士としてのスキルを磨き続けることで、多くの患者の支えとなり、さらには自分自身の成長にもつながります。理学療法士に向いていると感じる方は、ぜひその道を目指してみてはいかがでしょうか。