「訪問リハビリが潰れる理由ってどんなものがあるの?」
「訪問リハビリ事業所を安定して経営するためにはどのようなことに気をつけたら良い?」
このような疑問を解決できる記事です。
この記事では下記のことがわかります。
・訪問リハビリ事業所が潰れる理由
・訪問リハビリ事業所が経営上、気をつけるべきこと
では、『訪問リハビリの潰れる理由』について勉強していきましょう!
赤字の訪問リハビリ事業所は複数の要因がある
訪問リハビリ事業所が赤字に陥る原因は、一つに絞られるものではありません。
複数の要因が絡み合い、経営を圧迫することが多いです。
例えば、訪問件数の少なさ、職員の確保、経費の増大、事故リスクなどが考えられます。
これらの要因は、一つでも問題になれば経営を揺るがしかねませんが、複数が重なると事業運営はさらに困難になります。
特に訪問件数が少ないことや、リハビリの質が低いために利用者が減少することは、直接的に収益に影響します。
訪問リハビリが潰れる理由
訪問リハビリが潰れる理由として代表的なものを挙げました。
- 職員1人あたりの訪問件数(売上)が少ない
- 車の事故が多く、車の保険料が高い
- 利用者数の増減が激しい
- 他部署と兼務していないため安定しない
- 事業所の規模が小さい
- 利用者の卒業が多い
- セラピストの質・リハビリの質が悪い
- 家賃が高い
- 訪問リハビリ以外に時間をかけすぎている
一つずつ具体例を入れながら説明していきます。
職員1人あたりの訪問件数(売上)が少ない
訪問リハビリ事業所では、職員1人あたりが訪問できる件数が重要な指標となります。多くの訪問件数をこなすことができれば、事業所の売上は安定しやすくなりますが、逆に訪問件数が少なければその分、収益が減少します。訪問件数が少ない理由としては、職員の数が不足していたり、移動時間が長すぎて効率が悪い場合があります。また、リハビリに必要な時間が長引いてしまうことで、一日の訪問可能件数が減少してしまうこともあります。職員のスケジュール管理や訪問先の効率化が求められる場面です。
気をつけるべきポイントは、営業日平均の訪問件数を20分間あたりで算出することです。
職員が何かしらの都合で休んだ日などを除外して平均訪問件数を出していたら意味がありません。また訪問リハビリは40分訪問や60分訪問がありますので、20分間を1回として計算することが目標を明確化する上でも大事なことになります。
車の事故が多く、車の保険料が高い
訪問リハビリにおいて、職員が利用者の自宅に向かう際には、主に自動車での移動が必要になります。しかし、移動中の車の事故が多発する事業所では、保険料が高額になるため、経営を圧迫することがあります。特に、事故のリスクが高い地域や道路環境が悪い地域では、事故の頻度が上がる可能性があります。事故が発生するたびに修理費や保険料が上昇し、その負担は経営を直撃します。安全運転の教育や、事故防止のための対策を講じることが求められます。
利用者数の増減が激しい
訪問リハビリ事業所では、利用者数の安定が経営の鍵を握っています。しかし、利用者数が増減しやすい場合、収益が予測しづらく、事業計画が立てにくくなります。例えば、地域の高齢者人口が一時的に減少する、または季節的な要因で利用が減少する場合などが考えられます。また、他の事業所との競合が激しい場合には、利用者の奪い合いが発生しやすくなります。事業所の安定的な成長のためには、利用者数をいかに安定させるかが重要なポイントとなります。
他部署と兼務していないため安定しない
訪問リハビリ事業所が経営の安定を図るためには、他部署と兼務することが重要です。例えば、訪問看護や外来リハ、病棟リハなど、他の医療や介護サービスを併設することで、収益を多角化し、経営のリスクを分散することが可能です。しかし、訪問リハビリだけに依存している事業所では、利用者数や職員の数に大きく左右されやすく、経営の安定を保つことが難しくなります。複数のサービスを提供することで、経営基盤を強化することが求められます。
また、セラピストの一部が他部署と兼務することで休みやすい体制を確保できるようになります。
事業所の規模が小さい
訪問リハビリ事業所の規模が小さい場合、経営が不安定になることが多いです。規模が小さいと、職員や利用者の数が限られており、収益の変動に対する耐性が弱くなります。また、固定費や設備費のコストが経営を圧迫しやすい状況になります。事業所を拡大し、職員数や利用者数を増やすことで、安定した収益を確保することが可能です。経営者は、適切なタイミングで規模の拡大を検討し、事業の成長戦略を計画する必要があります。
利用者の卒業が多い
訪問リハビリの利用者は、一定のリハビリ期間を経て卒業することが一般的です。しかし、卒業が多い事業所では、新たな利用者を迅速に確保しなければ、収益が減少してしまいます。特に、リハビリが短期間で完了するケースが多い場合、新規利用者の確保が追いつかず、経営が不安定になることがあります。卒業後も他のサービスを提供できる体制を整えることで、利用者との関係を維持し、安定した収益を確保することが可能です。
セラピストの質・リハビリの質が悪い
訪問リハビリの成功は、セラピストの技術やリハビリの質に大きく依存しています。セラピストの質が低ければ、利用者が満足せず、他の事業所に移ってしまう可能性があります。また、リハビリの成果が出ない場合も同様です。事業所は、セラピストの教育やスキルアップを積極的にサポートし、質の高いリハビリを提供できる体制を整えることが重要です。利用者に信頼されるサービスを提供することで、リピーターを増やし、経営の安定を図ることが可能です。
家賃が高い
訪問リハビリ事業所の所在地によっては、家賃が経営を圧迫する要因となることがあります。特に、都市部や需要の高い地域では、家賃が高騰しやすく、固定費が大きな負担となります。家賃が高い場所で経営する場合、効率的な経費管理が求められます。また、場所を変更することで家賃負担を軽減することも検討すべきです。事業所の立地選びは、利用者の利便性と家賃コストのバランスを取ることが重要です。
訪問リハビリ以外に時間をかけすぎている
訪問リハビリ以外の業務や事務作業に時間をかけすぎることも、経営を圧迫する要因となります。例えば、報告書の作成や事務手続き、委員会や会議が増えすぎると、本来のリハビリ業務に割ける時間が減少し、訪問件数が減ってしまう可能性があります。これにより、収益の低下が懸念されます。効率的な業務管理や、システム化を進めることで、業務の効率を上げ、訪問リハビリにより多くの時間を割けるようにすることが重要です。
訪問リハビリ事業所が赤字に陥り、最終的に潰れてしまう原因は多岐にわたります。しかし、各要因に対して適切な対策を講じることで、経営の安定を図ることは可能です。職員の訪問件数の確保や、事故リスクの管理、利用者数の安定化、他部署との連携、規模の拡大、セラピストの質向上など、どれも重要なポイントです。経営者は、これらの要素を総合的に見直し、経営計画をしっかりと立てることが必要です。経営の工夫次第で、訪問リハビリ事業所は継続的な成長を目指すことができます。