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訪問リハビリテーション

訪問リハビリや訪問看護での買い物訓練のポイントについて解説

 

訪問リハビリや訪問看護では、日常生活の中で自立した生活を送るためのスキルを支援することが重要です。

その中でも、買い物訓練は非常に実践的で、生活の質を向上させるための大切な要素です。

買い物は、単に物を購入する行為にとどまらず、外出や移動能力、金銭管理、コミュニケーションスキルなど、多岐にわたるスキルの総合的なトレーニングの場となります。

特に、在宅療養をしている方や高齢者にとって、買い物に行くことが大きなチャレンジであると同時に、社会との繋がりを保つ重要な機会でもあります。

本記事では、訪問リハビリや訪問看護における買い物訓練のポイントや注意点について詳しく解説し、その利点についても触れていきます。

訪問リハビリや訪問看護での買い物訓練の内容

買い物訓練は、日常生活の中で実際に必要となる能力を養うために、多岐にわたる活動が含まれています。

単に商品を買うだけでなく、移動の手段や支払い方法、重い荷物を持ち帰るなど、あらゆる面でのスキルを向上させることが目的です。

以下に、具体的な訓練内容について詳細に説明します。

スーパー等までの移動の練習

まず、買い物を行うためには、スーパーなどの目的地に到達するための移動能力が必要です。訪問リハビリでは、車の乗り降りの練習や、斜面や段差のある不整地での歩行、長距離を歩く際の耐久力の向上が図られます。また、車いすやセニアカーを使用している場合、それらの操作方法や、移動中の安全確保も重要なポイントです。特に、交通量の多い道路や駐車場での動作確認は、リスクが伴うため、丁寧に指導が行われます。移動の練習は、屋外での実践を通じて行うため、患者様が自身の体力や安全に気を配りながら進めることが大切です。

スーパー等の店内の移動の練習

スーパーの店内での移動は、カートや買い物かごを持ちながら行うため、片手や両手で操作する練習が必要です。訪問リハビリでは、片手でカートを押しながら商品を取る動作や、バランスを保ちながらかごを持つこと、商品の陳列棚から物を取る動作などを訓練します。また、商品棚の上部にある物や、下部にある物を取る際には、腕や脚の筋力だけでなく、柔軟性や姿勢の維持も求められます。これらの動作を安全に行うために、無理のない範囲で訓練が行われることが重要です。

支払い方法

商品を選んだ後は、レジでの支払いが必要です。訪問リハビリでは、財布の開け閉めや、実際にお金を取り出す練習も行われます。特に、手指の動作が不自由な方にとっては、小銭を取り出すことが難しい場合もあるため、指のリハビリや、財布を使いやすい形状に変更するなどの工夫が必要です。また、金額に応じた正確なお金を渡すことや、支払後にお釣りをしっかり受け取ることも重要なステップです。支払いをスムーズに行うためのトレーニングは、単に動作だけでなく、認知機能の向上にも繋がります。

重たいものを持って帰る動作の練習

買い物の中で特に負担になるのが、重い商品を持ち運ぶ動作です。リハビリでは、重い買い物袋を持ちながらの歩行練習が行われ、バランスを保つ方法や、荷物を持ち上げる際の腰や膝の使い方が指導されます。また、片手で荷物を持ちながらドアを開ける動作や、階段を上る際の荷物の運び方など、日常的に発生する場面を想定した練習が行われます。重いものを安全に持ち帰るための工夫や、キャリーカートなどの補助器具の使用も検討されます。

訪問リハビリや訪問看護での買い物訓練の注意点

買い物訓練は、生活の質を向上させるための重要なプロセスですが、いくつかの注意点があります。

利用者さんの安全を確保し、無理のない範囲で行うことが求められます。

 

転倒などに注意する

スーパーや商店の床は滑りやすい場所もあり、特に雨の日などは転倒のリスクが高まります。訪問リハビリでは、靴の選び方や杖の使い方、バランスの取り方などを指導し、転倒を防ぐためのスキルを習得することが重要です。歩行中に注意が散漫になることや、急いで動くことが転倒の原因になるため、焦らずゆっくりと行動することも訓練の一環として指導されます。

体調などに注意する

買い物訓練は体力を消耗するため、体調管理が重要です。特に高齢者や持病を持つ利用者さんは、長時間の外出が負担となることが多いため、訓練中に体調が悪化しないよう、事前に体調を確認し、無理のないペースで行うことが大切です。また、体力に自信がない方は、短時間で小規模の買い物から始め、徐々に距離や時間を延ばしていくことで、無理なく体力をつけていくことが推奨されます。

血圧計や携帯電話などを携帯する

外出時には、突然の体調変化に対応するため、血圧計や携帯電話を持ち歩くことが重要です。血圧が高い方や、不整脈などの持病がある方は、買い物中に体調が悪くなった場合にすぐに確認できるよう、血圧計を携帯し、必要に応じて測定できる環境を整えます。また、携帯電話を持参しておけば、万が一の場合にすぐに連絡が取れるため、安心して外出することができます。

交通ルールを守る

外出時の交通ルールの遵守は、事故防止に繋がります。特に、横断歩道や信号のない場所での道路横断には注意が必要です。また、車道の近くを歩く際には、車の動きに気を配りながら進むことが求められます。訪問リハビリでは、交通ルールの確認や、実際の道を歩いての実践訓練も行われ、利用者さんが安全に外出できるようサポートします。

買い物能力を獲得することで生活の質が向上する

買い物訓練を通じて、患者様は自分で日常生活の必要な物を調達できるようになり、生活の質が大きく向上します。

外出して買い物をすることは、身体的なリハビリだけでなく、精神的なリフレッシュにも繋がります。

また、外の世界と繋がることで、社会的な孤立感の軽減にも寄与します。

特に、家族や友人と一緒に買い物に行くことで、コミュニケーションの機会が増え、生活に活力を取り戻すことができるでしょう。

まとめ

訪問リハビリや訪問看護での買い物訓練は、日常生活の自立をサポートし、生活の質を向上させるための重要なステップです。

移動や支払い、荷物の運搬など、さまざまなスキルを養うことで、患者様はより充実した生活を送ることができるようになります。

ただし、安全を確保し、無理のない範囲で訓練を進めることが大切です。

買い物能力を身に付けることで、社会参加や日常生活の自立が促進され、より豊かな生活を送ることが期待されます。

ABOUT ME
リハウルフ
理学療法士/「リハコネ式!訪問リハのためのルールブック」監著・編集/「ビジケア訪問看護経営マガジン」編集長/他に3メディアの編集長/ YouTube「リハウルフ」運営/セミナー経験多数/厚生労働省のホームページを見ることが趣味